アクセスランキング、1位はベテラン添乗員インタビュー

[総評] 今週の1位は今年4月に観光関係功労者として国土交通大臣表彰を受けられた、ジャッツ東京ツアーコンダクターセンターで旅程管理主任を務められている浦和愛子氏のインタビューでした。39年間という長い時間をかけて磨き上げられた添乗のスキルや心構えの一端でも皆様にお伝えできたとすれば幸いです。

 職能というものは、その仕事を始める前から身についているものと日々の業務を通して蓄積していくものとがあると思いますが、今回の浦和氏のような方々のお話をお聞きしていると後者、つまり経験が持つ力をはっきりと感じます。

 もちろん、経験は漫然と時間を過ごすだけで得られるものではなく、その時々に五感を通して脳に入ってくる知覚情報をどのように咀嚼するか、あるいは第六感をも用いてどのように状況を分析し解釈するかが重要です。

 浦和氏が話されている「外向き」の意識というのも同じ意味ではないかと思いますが、自分の周囲にあるすべての物事、情報は自らの学びのチャンスとなり得ます。これは僕には関係ない、私にとっては意味がない、と最初から決めつけてしまってはせっかくの成長の機会を逸失してしまいます。

 この考え方は、言い換えれば各個人が自分の商品価値を客観的に捉え、それを高めていくことにもつながります。社会で生きていく以上すべての人間は相対的な関係の中で評価され、自分の主観のみで情報を取捨選択していく人は一部を除いてひとりよがりな人物として評されるはずです。

 人の目を気にするという言葉は少しネガティブなイメージを帯びていますが、こと社会人としては何をすればどう評価されるか、自分の強みになるかを考えて損はありません。人の目も先述の知覚情報の一つであり、その意味で浦和氏の「添乗で一番心がけていることは」の質問に対するお答えはまさに我が意を得たりです。

 さらにこうした考え方を拡張すると、旅行業界全体の発展にもつながっていきます。

 旅行会社のビジネスの重要な基盤である飛行機の座席や客室を利用する権利の流通は、今後ますますプログラムが幅を利かせてくるでしょう。その好例として、2位にBooking.com日本地区リージョナル・マネージャーの勝瀬博則氏のインタビューが入っていますが、同社は世界規模でOTAの雄であり日本市場でも存在感を増していくと考えるのが妥当です。

 そうした環境下で労働集約的な旅行業に従事するならばコンピュータには実現できない強みとは何かを考え、それを提供できるよう時間と労力を費やしていくのが筋であるはずです。

 そしてそのためには、例えばコンピュータのプログラムがどういうものかを学んでみるのも有効な手段となります。先ほどの話に戻って、大多数の人にとって遠い世界のものと思われそうなプログラミングも、捉え方次第で自分のためになるわけです。

 私自身はいわゆるExcelのマクロ機能、正確にはVBAをかじっている程度ですが、少しはプログラムというものの仕組みを理解できてきているように思います。簡単な処理であればさほど難しくなく、データの整理や加工など日常の実務にも大いに役立ちますのでおすすめです。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年8月第4週:8月23日0時~8月28日18時)
第1位
インタビュー:ジャッツ東京ツアーコンダクターセンターの浦和愛子氏(15/08/25)

第2位
トップインタビュー:Booking.com日本地区統括の勝瀬博則氏(15/08/27)

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第6位
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第7位
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第10位
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