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2月の訪日外客数、過去最高の138.7万人-空港の混雑課題に

  • 2015年3月22日

 日本政府観光局(JNTO)によると、2月の訪日外客数は前年比57.6%増の138万7000人となり、年間を通じた1ヶ月の訪日外客数として過去最高を記録した。1ヶ月の訪日外客数が100万人を超えるのは、2014年3月から12ヶ月連続のこと。観光庁長官の久保成人氏はこのほど開催した専門誌会見で、今まで訪日のピークは春、夏、秋の3つだったが「今回もう1つ、冬にピークができてきた」と喜びを示した。

 市場別では、ロシアを除く全ての国・地域で全員を上回った。特に伸び率が高かったのは春節のシーズンの中国で、159.8%増の35万9100人と大きく伸びた。

 ただし、久保氏は「中国人は夏に訪日する傾向があり、春節の時期は短いので、多くの人が日本に来る時期ではなかった」と語り、今回の増加を「単純な春節効果だけではない」と説明。春節に合わせて実施した、小売業者を含む関係各社のプロモーションも奏功したが、「円安や消費税免税制度の拡充などの総合的効果があったのでは」と分析した。1月19日に開始した個人観光数次ビザの発給要件緩和措置についても、規模は不明だが増加の一因になったとの考えだ。

 また、久保氏は今後の課題として、空港での混雑解消を挙げた。観光庁では入国時間の短縮をめざし、CIQの増員による体制強化をはかっているところ。今回の春節の結果を踏まえ、今後は出国時の対応についても強化していく方針で、手続きのスペースの確保や人員増強をめざす。特に首都圏や中部、関空以外の地方空港について、一層の強化をはかるとした。

 このほか、市場ごとの数字を見ると、主要4市場では香港が68.8%増の10万9400人、台湾は45.2%増の27万7600人、韓国は38.9%増の32万1600人と増加。5割以上の伸びを示したのはフィリピンとシンガポールで、フィリピンが89.5%増の1万4200人、シンガポールが57.2%増の1万6300人となった。