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チュニジアで日本人含む観光客襲撃、各所が情報収集に奔走

  • 2015年3月19日

 チュニジアの首都チュニスのバルドー博物館で3月18日、武装集団による観光客を狙った銃撃事件が発生し、日本人を含む死傷者が発生した。安倍晋三首相は19日午前、日本人について少なくとも3人が死亡、3人が負傷したことを確認したと報告。ただし日本人の被害情報については複数の情報が錯綜している状態で、政府や関係者は情報収集を急いでいる。

 観光庁によれば、被害者が乗船していた地中海クルーズ中のMSCスプレンディダには、日本からは少なくともクルーズプラネットとベストワンドットコムの2社が取り扱う参加者が乗船。19日午前に本誌の取材に応えたクルーズプラネットによれば、同社からは添乗員1人を含む91人が乗船しているが、現地が深夜の時間帯にあることなどから、安否確認は困難を極めているという。同社ツアーの参加者が被害にあったとの情報は確認されていないとのこと。

 観光庁安全対策推進室によれば、同庁では現在、審議官の蛯名邦晴氏を責任者とする連絡本部を立ち上げ、外務省や日本旅行業協会(JATA)などと連携して情報を収集しているところ。JATAもこれらの会員会社2社以外に、同船に乗船しているツアーがないかなど、各所に情報収集をおこなっているという。

 外務省も19日午前の時点で、チュニスの日本大使館を中心にさらなる情報の収集に務めているが、やはり困難を極めているという。19日午前には岸田文雄大臣が談話を発表。今回の銃撃行為を非難するとともに、日本がチュニジアや国際社会と連携して、テロリズムとの戦いに取り組む姿勢を表明している。

 現地の報道によれば、武装集団は18日に銃を乱射後、館内で観光客を人質に取った結果、外国人観光客を中心とする10数人が死亡。治安部隊は武装集団2人を殺害したという。犯行声明などは出されていないが、イスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)との関係が疑われている。なお、チュニスには18日時点で、外務省の渡航情報では最もグレードの低い注意喚起が発出されている。