HIS、1Qは増収増益-営利は22.7%増、5期連続過去最高
エイチ・アイ・エス(HIS)が先ごろ発表した、2015年10月期第1四半期(2014年11月1日~2015年1月31日)の連結業績で、売上高(※総額)は前年比5.3%増の1288億7100万円となり、4期連続で過去最高となった。営業利益は22.7%増の50億1700万円、経常利益は18.9%増の58億1200万円で、ともに5期連続で過去最高を記録。四半期純利益は16.1%増の27億700万円となり、増収増益だった。
旅行事業では、売上高は4.4%増の1129億4600万円、営業利益は13.7%増の23億2400万円とともに増加した。海外旅行では、「初夢フェア」で現地ガイドが案内する「道草旅」を展開したほか、顧客層の拡大への対応をはかり、ビジネスクラスを利用した商品を拡充。成層圏ツアーの発表や、高評価の添乗員が同行し、行程にゆとりをもたせた「インプレッソプレミアム」を発売した。HISによると、こうした高付加価値商品の販売が順調に推移したという。
インターネットでの取り組みは、HISの各サービスサイトの会員情報を一元化し、オンラインと店舗双方で情報を共有することでサービスの強化をはかったほか、ウェブサイトや現地ブログのリニューアルも実施した。法人・団体旅行については、カード会社会員専用のトラベルコンシェルジュデスクを新設。大型インセンティブ旅行も実施した。
国内旅行では、沖縄で古民家宿泊プランなどをおこない、着地型観光ビジネスを強化。新たなチャータークルーズとして飛鳥IIのチャーターを実施した。また、訪日旅行では、京都に訪日旅行専門店を開設したほか、2014年11月にANAセールスとの合弁会社「H.I.S.ANAナビゲーションジャパン」を設立した。
海外事業では、東南アジアを中心に多店舗展開を推進し、タイ23拠点、インドネシア14拠点、ベトナム9拠点と順調に拡大。2015年1月時点でHISグループの営業拠点網は、国内300拠点、海外60ヶ国125都市183拠点となっている。このほか、各地でトラベルフェアに参加し、現地でのプロモーションを積極的に展開。世界39ヶ国で展開中のオンライン予約サイト「hisgo」は、国内宿泊予約サイト「スマ宿」、訪日旅行情報サイト「Japan Hot Now!」と連携を強化した。
ハウステンボスなどのテーマパーク事業では、売上高は25.9%増の83億7300万円、営業利益は21.3%増の27億9200万円。「光の王国」で世界初の運河イルミネーション「光と噴水の運河」を開始するなど、取り組みを強化。「ゲームの王国」でも世界初のSR(代替現実)ホラーアクション「ナイトメア・ラボ」を新設し、イベント施設の拡充に務めた。
ハウステンボス単体では、売上高(※総額)は13.4%増の80億3400万円、営業利益は18.1%増の27億円、経常利益は15.5%増の28億9900万円だった。なお、売上高にはテナントの売り上げも含む。入場者数は11.1%増の83万1000人で、このうち海外客数は2.8%減の4万5500人だった。
運輸事業では、アジア・アトランティック・エアラインズ(HB/AAA)で成田発着に加え、関空、福岡発のバリ島、カンボジアへのチャーター便を実施。しかし、タイ情勢の影響などで、売上高は4億8500万円、営業損失は2億2100万円(前年:2億5500万円)となった。
なお、ホテル事業は売上高が21.3%増の15億7900万円、営業利益が2億700万円で増収増益。九州産交グループは阿蘇山ロープウェーの火山規制に伴う運休などの影響で、売上高は6.3%減の65億2900万円、営業利益は12.7%減の3億7300万円だった。