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新運賃・料金制度の影響と課題-旅行会社とバス事業者が意見交換(2)

 旅行会社側からは「安全面は理解する」と新制度に共感する姿勢を見せるものの、細部についてはいくつか疑問を持つ。

 点検に1時間必要か-旅行会社 オフ料金設定認めて-バス会社
一つは、回送分や始業前、始業後の点検時間が加わったことだ。「点検時間は1時間も必要なのか」「回送、入出庫点検を加えた見積を示すとエンドユーザーから必ず『なんだそれ』と言われる」などと相次いだ。

 一部バス事業者からも「出庫前後で2時間は長い。1時間でいいのではないか」「回送と実車が同じ算出なのは疑問。回送は実車の半額、3分の1にすることも考えてほしい」「回送料金を収受している運輸機関は貸切バス以外ない」。これらは、実質的な値上げで稼働率が低下したバス事業者の危機感を伺わせる。特に、回送については全国的にも「車庫の位置で有利不利が発生している」と指摘する声も少なくない。

 年間一律の運賃・料金を疑問視する声は両者から上がった。「JRでも閑散期料金がある」(旅行会社)、「学校関係の移動が電車に変わっている。オフ料金の設定などで仕事量を確保したい」(バス事業者)。

 消費者への告知も課題だ。旅行会社からは「タクシーや路線バスの値上げはどんどん報道される。貸切バスも初乗り8万円とか分かりやすくして周知できないか」「新制度導入のきっかけになった高速ツアーバスと貸切バスが混同し、客に説明しにくい」。バス事業者側も新運賃を継続して収受するため、制度遵守を促す国の監査強化とともに、消費者への周知徹底を求めていた。

 

情報提供:トラベルニュース社