東京都・世界一の都市を目指す(1) 訪都外客1800万人へ長期ビジョン

 東京都は12月25日、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に、訪都外国人旅行者1500万人、24年に1800万人を目標とすることなどを盛り込んだ「東京都長期ビジョン 世界一の都市・東京を目指して」を発表した。長期ビジョンでは20年までの目標と、東京オリンピックを起爆剤とした10年後の24年ごろの東京の姿について、政策目標を示している。

 受入環境拡充で安全安心な都市へ
東京都長期ビジョンは「史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現」と、安全・安心な都市の実現など「課題を解決し、将来にわたる東京の持続的発展の実現」の2つを基本目標に設定。これらを実現するための25の政策指針と政策をまとめている。

 このうち、オリンピック成功への環境整備の1つとして、また、オリンピック開催を起爆剤として国際観光都市・東京の発展を目指す政策として取り組むのが、外国人旅行者の受け入れ環境の拡充。訪日外客が日本を旅行中に不便を感じる項目には案内板などの標識、観光案内所の不足、言葉の問題などが常に上がる。都では20年までに、こうした課題を克服したい考えだ。特に、多言語化については、観光案内のみならず、震災時など東京に滞在するすべての外国人にとっても安全・安心な都市を目指す。

 このため今後5年で、(1)多言語化の推進(2)無料WiFiの整備(3)観光案内機能の充実-を急ぐ。道路標識については20年までに都道すべての道路標識を英語併記にするほか、道路標識と観光地などの案内サインの連携を強化し、目的地まで旅行者を円滑に誘導できる態勢を整える。

 宿泊施設に関しては15年度から24時間対応の多言語コールセンターサービスを導入、飲食店には食材ピクトグラムなどを活用した多言語メニュー表示を後押し。また、20年までに都立・公社の全14病院で多言語による診療態勢を整備する。

 

情報提供:トラベルニュース社