ANAグ、25年度国際線売上で国内線超えへ-国内線は需給適合深化
ANAグループは1月30日、「2014-2016年度ANAグループ中期経営計画」の見直しとともに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催や首都圏空港の更なる機能強化などを踏まえた10年後の展望として、2025年度の目標やめざす姿を発表した。25年度は国際線旅客事業を主軸に据え、売上高2兆5000億円規模、営業利益2000億円規模をめざす。また、中期経営計画では国内線で、余剰機材をあえて置き、需要に合わせて大型・小型機材を使い分ける新需給適合方策「ピタッとフリート」の導入を明かした。
ANAホールディングス(ANAHD)上級施行役員グループ経営戦略部長の長峯豊之氏は、2025年度は国際線を「国内線に替わる“稼ぎ頭”として、世界をつなぐ積極的な路線展開・投資をはかる」方針を述べた。25年度の売上高で15年度予測の1.5倍規模への拡大をめざし、現在の売上の1位を占める国内線を逆転したい考えだ。
国際線では北米/アジア間の需要に対してリソースを集中的に投下していく。今後10年間のうち、現在未就航の東欧・ロシア、中東・アフリカ、オセアニア、中南米地域について「チャレンジングに、果敢に飛んでいくことを検討していきたい」とした。なお、オセアニアについては、羽田/シドニー線の就航を検討中だ。さらに、訪日需要を確実に取り込むための施策も展開していく。
また、16年度までの中期経営計画では、成田空港増枠の最大活用として、アジアの成長を取り込むため、新規就航や増便を実施(関連記事)。訪日や3国間需要の拡大に向け首都圏ハブ機能の強化をはかる。羽田国際線2次増枠の路線の成長による収益拡大や、深夜枠を活用した路線展開にも取り組んでいく。このほか、海外エリアでの収入拡大に向けたマーケティング強化や共同事業による販売力強化も取り組む。
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