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現地レポート:マレーシア2都市で食と癒しの体験

  • 2015年1月29日

クアラルンプールとマラッカで体験するマレーシアの多様性

女性に人気のプラナカン文化
古都マラッカで街歩き

女性の心をつかむ可愛らしいショップハウス  クアラルンプールから南へ約2時間、マレー半島の西南に位置する古都マラッカ。東西貿易の要衝として500年もの長きに渡り栄えた港町で、プラナカン文化の中心地でもある。

間口は狭いが奥行きのあるショップハウス  「プラナカン」とはマレー語で「ここで生まれた」という意味があり、移民してきた男性と地元のマレー人女性の間に生まれた混血の子孫のことを差す。中でも中国、主に福建省からやってきた移民の子孫の男児をババ、女児をニョニャと呼び、その華やかなババ・ニョニャ文化(または総称のプラナカン文化)は代々受け継がれてきた。世界遺産でもあるマラッカ旧市街では、食・工芸・建築などに、その高い芸術性が開花している。

お菓子を製造販売している「ババ・チャーリー・ニョニャ・ケーキ」  中でもニョニャの花嫁修業として重要視されていた、料理と刺繍の技術には目を見張る。ニョニャ料理は、スパイスやココナッツ、パンダンなど自生の植物に加え、中華の食材を使用し、中華の技術で調理したもの。ひと口で終わってしまうような小さな料理にも、時間と手間ひまを惜しまずかける。

ピンク色以外はすべて花や植物で着色する プラナカンのハーフのジョイスさんのお店「Jマニク」  そして精緻な刺繍は、忍耐強さを養い美しく自分を飾る装飾品として、重要なもの。特に手先の器用さを示す靴への思い入れは強く、嫁入り前の娘たちは美しいビーズ刺繍の靴が仕上げられるようになるまで、外出も禁止されていたそうだ。ちなみに、1ミリに満たない小さなビーズを縫いこんだ手刺繍の靴は、作成に2、3ヶ月かかるという。

 伝統的な調理器具やカゴ細工などの工芸品、ビーズ刺繍の靴店や鮮やかな色遣いのアンティーク雑貨店などが軒を連ねるマラッカの旧市街。クアラルンプールから日帰りツアーもあるが、できれば滞在してじっくり街歩きを楽しみたい。