年頭所感(2)顧客目線を重視、さらなる満足度向上へ
▽日本旅行代表取締役社長 丸尾和明氏
今年は特別な思いで2015年を迎えた。それは、創業110年という節目の年の重みをしっかり認識するとともに、伝統を踏まえながらも変化に迅速に対応することにより、新しいステージへの第一歩を踏み出すのだという決意だ。
創業者の南新助氏は日本初の団体臨時列車を企画、募集、催行するとともに、お客様の要望を考えサービスを発案、実行して大きな反響を呼んだ。南新助氏は「マーケットイン」を徹底するとともに、スピーディに「新しい価値を創造し続けること」が事業の基幹であるという観点で施策を考案・実行していた。創業から110年の今年、我々は創業者の思いと行動をしっかりと受け継ぎ、加速度的に変化するマーケットの中でビジネスモデル転換を早期に達成し、企業ビジョンの実現をはかるとともに、次のステージに向かっていく。
今年は日本経済の緩やかな回復が期待される一方、欧州や新興国経済の動向による景気の下振れリスクが懸念されている。また、円安は訪日旅行にはプラスだが海外旅行にはマイナス材料であり、個人の消費マインドの減退に繋がりかねないとの指摘もある。また、訪日旅行の増加などで仕入環境の悪化が顕著になると見込まれており、一部に追い風もあるものの全体では厳しい状況である。
こうした状況に打ち勝ち未来を切り拓くためには、ビジネスモデル転換への取り組みを一層強化するとともに、3月に開業する北陸新幹線や、創業110周年の記念商品の展開など、ビジネスチャンスを的確にとらえ、迅速に行動していくことが必要不可欠だ。様々な課題に取り組み「感動と満足を創出する活力ある企業グループ」の実現に向けて、全力を傾注していく。
▽阪急交通社代表取締役社長 松田誠司氏
2015年は基幹ブランドのトラピックスが次なる成長を遂げるための基盤づくりの年と考えている。そのためには世の中の変化に耳を傾け、お客様の要望にお応えすること、これらを心がけた商品づくりに専念し、顧客満足向上に取り組むことが必要だ。その結果として、昨年100周年を迎えた宝塚歌劇団のように、阪急交通社も次の周年、さらには100周年をめざして成長していきたいと思っている。
海外旅行1700万人、訪日旅行1300万人、相互交流3000万人、さらには4000万人時代到来に向けて、国内旅行も含めバランスの良い発展のために、当社も旅行業界の一翼を担う企業として邁進していく。
▽ANAセールス代表取締役社長 白水政治氏
2015年は6月に全日空(NH)が成田/ヒューストン線を新規就航。8月以降は東南アジアの増便が予定されている。当社では新たな海外旅行マーケットを開拓しお客様へ旅の提案をしていく。訪日旅行では新会社「HAnavi」を設立し、4月から営業を開始する予定だ。NHのネットワークを利用することで国内遠方への旅行も可能になるほか、訪日外国人を全国各地に呼び込むことで地域活性化にも貢献していく。国内旅行では2006年6月より発売を開始したダイナミックパッケージが300万人を突破しており、利便性の向上に努めていく。
旅行業界は周辺外交や消費税増税、為替動向、アベノミクスの進展など、新たな環境変化の波に直面している。こうした変化の中で生き残っていくためには、変化への対応のみならず、更なる成長を実現していかなくてはならない。自らを変革し、その深度を深めていくことが必要だ。
我々は昨年4月に日本橋へと拠点を移した。江戸時代から続く日本橋の老舗店のように、1つ1つの仕事を大切にして、お客様に満足いただけるよう安心と付加価値の高い旅行商品を提供し、サービスの向上に努めるよう全社員一丸となって取り組んでいく。
▽ジャルパック代表取締役社長 二宮秀生氏
2014年は消費税増税、急激な円安、アベノミクス、諸外国の政治混乱、日本各地の水害、エボラ出血熱、年末の総選挙など環境が目まぐるしく変化した1年だった。しかし、どれほど環境が変化しても、旅の素晴らしさ、旅の力そのものは何ら変わらない。人生の思い出を豊かに彩り、家族や友人との絆を深め、新しい出会いや感動をもたらす。
環境の変化に柔軟に対応しながら、お客様視点を貫いて、旅の素晴らしさをしっかりと発信し、お客様に喜んでいただけるJALパックならではの「いい旅、あたらしい旅。」を提供し続けていくことが我々の使命であると考える。昨年新たに取り組んだJALパックブランド誕生50周年特別企画も好評だった。今年はこの流れを継承し、年に4回のJALパック「厳選いい旅」をつくる。企画性、テーマ性、希少性、限定感など付加価値のある海外、国内の空の旅を厳選して1冊にまとめたものをJMB会員に届けていく。
「ひつじ年の今年もみんなで旅に出かけよう、遠くへ行こう」、そして「我々は、決して看板に偽りのない、お客さまにご納得いただける旅をご提案していく」、という意味を込め、ひつじ年の年頭に当たり「羊頭狗肉」ではなく「羊、遠くに行く」という新たなメッセージを掲げ、臨んでいきたい。
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