トップインタビュー:ベストリザーブ代表取締役会長兼CEO 岡武公士氏

  • 2014年12月4日

めざすは「総合旅行会社」
海外、訪日も3年以内に開始

 ─2011年には日本旅行との協業を開始しました

岡武 日本旅行がインターネット上で運営していた「宿ぷらざ」とベストリザーブを統合する形で「ベストリザーブ・宿ぷらざ」を始めた。ベストリザーブは場貸しをして日本旅行のパッケージ商品を売っている。3年ほど取り組んで色々なことが見えてきたので、現在は業務の見直しをおこなっているところだ。

 場貸しをする立場として、特定の会社の色を付けたくはないので、日本旅行とはベストの関係を模索していきたいと思う。ただ、日本旅行を介して取り扱っているJRの乗車券については、OTAが取り扱うことは非常に珍しいので、今後も注力したいと考えている。


─航空会社との協業については

岡武 ゆくゆくは航空会社とも協業したいと考えている。LCCについては、ジェットスター・ジャパン(GK)本体とではないが、子会社の旅行会社であるジェットスターツアーズがGKのウェブサイトで販売しているパッケージ旅行商品の宿泊施設部分を、我々が取り扱っている。あまり知られていないが、直販中心のイメージが強いLCCも、傘下の旅行会社を持っている。そこに大きなOTAが入っていくことは難しいが、現在の我々のようなサイズの企業なら可能だ。

 利用者にとって良い商品、つまりリーズナブルな商品はなかなか利益を上げにくいが、提供していくことは大事だと思う。また、「総合旅行会社」では旅行のメニューを全て揃えることが大切だ。現在は国内の宿泊の取り扱いが中心となっているが、海外旅行やレンタカー、バス、鉄道、飛行機とあらゆるものを提供できる必要がある。


─海外旅行はいつ頃、どのような形で取り扱いを始めますか

岡武 来年中には開始したい。アジアの周辺国やグアムなどを視野に入れているが、まずは韓国旅行から着手する。訪問者数が落ちたと言っても、年間で250万人が訪れる大きな市場だ。まだまだ送客数の少ないOTAにとって、伸びしろは非常に大きい。

 海外においても、ビジネスの引き出しは沢山ある。例えば前職の楽天トラベルでは、韓国で空港/ホテル間のシャトル輸送を取り扱った。楽天が業者に委託して実現したものだが、利用者から見ればそれは、楽天が運営しているように見えるだろう。そうなるとそれは最早、単なる「旅行サイト」の事業には収まらない話になる。