トップインタビュー:ベストリザーブ代表取締役会長兼CEO 岡武公士氏

  • 2014年12月4日

めざすは「総合旅行会社」
海外、訪日も3年以内に開始

   今年7月、国内宿泊施設予約サイト大手のベストリザーブの代表取締役会長兼CEOに、元楽天トラベル社長の岡武公士氏が就任した。1996年に日本の宿泊予約サイトの先駆けである「ホテルの窓口」を立ち上げ、その後は楽天トラベルを国内有数の総合旅行サイトにまで拡大したことで知られる岡武氏だが、ベストリザーブにおける今後の展開や目標、これからの旅行業界とインターネットの関係などについて話を聞いた。


─現在のベストリザーブの業務について教えて下さい

岡武公士氏(以下敬称略) 主な事業は、国内宿泊施設の予約と買い取り、宿泊施設向けマーケティングツール「プライスコンシェルジュ」の販売の3つ。現在の契約宿泊施設数は約1万軒で、業界内では3位か4位の位置にいるが、3年後には3万軒をめざす。

 買い取りについては、利益はそれほど大きくないが、商品のラインナップをそろえ、宿泊施設との結びつきを深めるために、通期での買い取りを拡大しているところだ。買い取りは東日本大震災の発生後も続けていたが、そのおかげで宿泊施設との結びつきは強くなったと思う。

 「プライスコンシェルジュ」は宿泊施設のウェブ担当者が自社の値付けの参考にするためのツールで、他社の値付けの動向をデータとして示すもの。現在は約500社が導入していて、業界ではナンバーワンの地位にある。

 これらの事業に加えて、年内にはレンタカーの取り扱いを開始したい。その後はバスも取り扱う予定だ。また、3年以内に海外旅行、訪日旅行、ダイナミックパッケージなどの取り扱いを開始したいので、システムの構築や見直しを進める。営業担当も、現在は大阪に数名程度いるだけだが、3年後には100人近くに増えていると思う。

 ベストリザーブの目標は「総合旅行サイト」ではなく、あくまでも「総合旅行会社」だ。インターネットの枠の中でどこまでできるのか、というテーマを追求していて、大手旅行会社のカウンターでできることは、全てネットで実現したい。既に第1種旅行業も取得している。