JATA、海の日の三連休外しに反対の要望書、日観振など6団体と

  • 2014年10月29日

 日本旅行業協会(JATA)は10月29日に開催した定例記者会見で、同日に開かれる自由民主党の勉強会に、現在は7月第3月曜日に定められている「海の日」を、2016年から制定当初の7月20日に再固定化することに反対する要望書を提出すると発表した。衆議院議員の衛藤征士郎氏が会長を務める超党派の議員連盟「海事振興連盟」が、「海に感謝する本来の趣旨が忘れられている」などとして作成した祝日法改正案を、同党内閣部会などの合同会議が了承したことを受けたもの。議員立法による成立をめざす動きの阻止をはかる。

 要望書は日本観光振興協会(日観振)、全国旅行旅行業協会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会との連名で提出。書面では、他の祝日へと連鎖して制度自体が消滅することを危惧した上で「祝日三連休化の導入経緯、経済的影響を踏まえた丁寧な検討」を要望している。提出する観光立国調査会・内閣部会合同勉強会には、JATAから副会長の吉川勝久氏と理事長の中村達朗氏が出席して要望する。

 祝日三連休化(ハッピーマンデー)は、国民の祝日の一部を月曜日に移し、土曜日および日曜日と合わせて三連休にする制度で、2000年から導入を開始。成人の日を1月第2月曜日、海の日を7月第3月曜日、敬老の日を9月第3月曜日、体育の日を10月第2月曜日としている。旅行業界は、国民が旅行する機会を拡大する制度として歓迎しており、7団体も「観光業界のみならず、幅広い層からの要望を背景としたもの」と主張している。

 7団体は要望書において、仮に海の日がハッピーマンデーから外されて再固定化された場合、観光需要の低下をもたらすだけでなく、「観光や地域経済に深刻な影響を与える」と指摘。「政府の重要政策課題である地方創世に逆行する」と異議を唱えている。会見で説明したJATA事務局長の越智良典氏によれば、祝日三連休化1回あたりの経済効果は「約2700億円から5500億円」に上るという。

 なお、JATAでは7団体による要望書に合わせて、JATA単独での要望書も提出する予定。祝日三連休化については、「導入後10余年を経て、広く国民に支持され定着している」と強調するとともに、海の日の固定化について「反対」と明記している。