OTOA、他団体との連携強化、海外の教育・研修にも注力

  • 2014年6月4日

 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)会長の大畑貴彦氏は6月4日、第23回通常総会とその後の記者会見で、旅行業界の他団体との協働を深めていく方針を語った。

 13年度は他団体から様々な提言が出されたが、その中で「我々オペレーターが誰よりも一番実情を把握している当事者」であるテーマも多かったにも関わらず、「残念ながら検討段階で参画を要請されたり、意見を求められることはなかった」という。このため、「実態に則したより良いものを作るためにも、協働ということを会員の皆さん、外部の関係者に強くお願いしたい」考えだ。

 また、大畑氏はOTOAの事業の根幹である海外旅行分野では、国交問題や円安で中国、韓国をはじめ「数が稼げるところが難しい」状況であると指摘。旅行者のFIT化が進み、旅行会社経由の旅行が減少するなか、今年も厳しい状況が続くとの見通しを示した。

 こうした状況の中での生き残り策について副会長の立身正廣氏は、「各地域のスペシャリストがどれだけ斬新かつ市場にマッチしたプロダクトを提供できるか」が重要であるとコメント。また、大畑氏は「旅行会社あってオペレーター、オペレーターあっての旅行会社」である点を改めて強調。旅行会社経由の海外旅行者数増をはかり、引き続き日本旅行業協会(JATA)をはじめ旅行会社と協力していく姿勢を打ち出した。

 このほか、14年度の事業計画では、海外観光関連事業従事者に対する教育、研修に注力すると明記。ここ2年間中断していた「海外ガイド・ツアーコーディネーター研修」を再開するとし、今年はモンゴルとタイで研修を実施する予定という。

 また、安全対策事業は都市安全情報の更なる充実もはかる。13年度は90都市の調査・更新作業を計画していたが、64都市にとどまったため「不十分だった」(大畑氏)といい、今年は調査都市の追加や調査項目の見直しを継続していく方針だ。

  なお、安全対策については、速水氏がJATAが昨年「観光危機管理体制における組織的マネジメントのあり方」を提言したことに言及。「オペレーターとの契約、特に安全管理に触れるなど、安全確保に対する大変強い取り組みの姿勢が感じられる」とし、OTOAでもより会員の具体的な取り組みを求めるとともに、旅行や旅行者の安全確保、良質なサービスの提供に努めていくとした。