インタビュー:NTTドコモ スマートライフビジネス本部 倉田泰氏
旅行業に進出したNTTドコモ 「dトラベル」で需要創出へ
-旅行事業では後発にあたりますが、競合他社との比較においてdトラベルの強みを教えてください
倉田 強みのひとつは、8つの「気分」で検索できる機能だ。旅行サイトを訪れる人は、宿泊を予約するという目的だけでなく、次の休みに旅行に行きたいと思って訪れる場合もあると思う。そうしたマインドの醸成というサービスも機能として追加したところが、先行サイトと違う点だろう。メインとなるスマホユーザーは、一番近いところにスマホを持っている。なんとなく触りながら、情報が取れ、次の休みに行ってみたいと思わせることができればいいと考えている。
もうひとつの強みは、旅ナカの支援だろう。地図アプリとの連携、宿泊の予約だけでなく現地の食事などのフォローアップも可能。以前から提供している「ご当地ガイド」を利用すれば、ドコモ地図ナビと連動して、自分で現地での日程表を作ることもできる。これからも、従来のドコモのサービスと連動させ、より磨きをかけながら、お客さまにとって便利な形にしていきたい。
dマーケットはもともと音楽、ゲーム、ビデオなど携帯と親和性のあるデジタル・コンテンツからスタートしている。ファッションなどリアルなものは一昨年12月からスタートさせた。それらはすべて後発だ。旅行事業についても、何を提供できるのかの軸をしっかりと持って展開していく。
-ドコモユーザー以外もターゲットにされているそうですね
倉田 ユーザーの制限はしていない。ドコモユーザーは最初の登録はいらないが、ドコモユーザー以外でも携帯、スマホを使っている人なら誰でも利用することができる。昨年12月から事業を始めたが、すでに他社やPCからの利用も一定量ある。
dトラベルは、ドコモユーザーだけが利用できるサービスと思われてしまうところもあるが、そこはブランドの浸透度の問題だと思う。その意味では、今年2月末からはdマーケット全体がオープンになり、他社ユーザーやPCからの利用も可能になるので、その機会も捉えながらdトラベルのアピールも強めていく方針だ。また、タイミングを見ながら、ウェブ販促も強化していきたい。
-昨年12月にスタートしたばかりですが、これまでの傾向を教えてください
倉田 1月は観光というよりもビジネスユースでの間際予約が多かった印象だ。年末年始では、オープニング商材が若干動いたくらい。
例えば、元旦セールが一般化しているファッションと比べると対照的だ。まだ試行錯誤の部分が大きいのは事実。今後、ボリュームが増えてくると、傾向も変わってくると思う。