スクート、旅行会社重視を強調-日本路線強化へ
新機材を日本路線に投入予定、新路線開設も視野に
TZは2014年から2015年までに、ボーイングB787-8型機とB787-9型機を合計20機受領する予定だ。B787-8型機は320席前後、B787-9型機は360席前後になる予定で、それぞれ10機ずつ発注済みだ。
新機材は2014年中に路線に投入する計画で、B787の投入先候補としては日本市場があがっている。ウィルソン氏は「最終決定はしていないが、日本人には新機材が好まれるので、(導入市場として日本市場は)念頭にある」とコメント。日本国内の空港がB787型機のハンドリングの経験を有していることも一因だとした。また、坪川氏も「日本は大変重要な市場。1、2機目が日本に導入される可能性は非常に高い」とした。
日本市場では、まず成田線に投入するか、新規路線の開設で使用するかなどを社内で検討中だという。ただし、ウィルソン氏は個人的な意見としながらも、「新路線の開設が望ましいのでは」との考えを示した。
坪川氏によると、新規路線は当初からデイリーで運航したい考え。TZは旅行会社経由の販売が高いことから、パッケージ化するには毎日運航していることが重要とした。関西などを含めた全国の人口が多い都市圏から3ヶ所から4ヶ所の就航を検討しており、ターゲットはレジャー需要だという。
台北経由「慌てて変更するつもりはない」、SQとの棲み分けも
ウィルソン氏によると、成田線についても時期は未定だが、B787型機を導入する予定。成田/シンガポール間の直行便化の可能性はあるとしながらも、日本人の乗客のうち8割の目的地が台北となっていることから「台北経由でうまくいっているので、慌てて変更するつもりはない」考えだ。
ウィルソン氏は、TZは飛行時間が8時間から9時間の潜在的魅力のある市場を就航先としており、ユニットコストがFSCの半分程度であることから、親会社であるSQがコスト的に採算の取りにくいと見ている路線にも就航可能と説明。「SQが取りこぼした需要の取り込みをはかりたい」とし、カニバリゼーションが起きないための棲み分けはなされているとした。
また、シンガポール発の需要については「(台北は)就航先というよりは乗り継ぎ需要を意識している」といい、台湾をTZの小規模ハブと位置づけていると話した。TZは現在、台北からシンガポールに週10便、成田に週7便、仁川に週3便を運航。台北経由で他の就航地への路線展開も検討しているという。