アクセスランキング、1位はバニラ、他LCCの話題も

[総評] 今週は、バニラ・エア(JW)が航空券の販売を開始した記事が1位になりました。正確には先週の当欄を公開する前に掲載していた記事ですので順序が逆ですが、配信日の違いで今週の扱いとしました。

 先週は、記事を書きながらJWウェブサイトでキャンペーン運賃「わくわくバニラ」を手に入れようとかなりの長時間粘りましたが、結局のところ叶いませんでした。2度ほど予約画面までは行き着いたものの、1回目は国際線でパスポート番号の入力を求められたのに対して同行者の分がわからずに断念し、もう一度は国内線でしたが、何かのボタンをクリックしたはずみに固まってしまいました。

 試した方ならお分かりかと思いますが、「とにかく重い」というのが率直な感想で、聞くところによると最大で1秒間に8000回ものアクセスが集まったとのことです。そう考えますと、全路線片道1000円のインパクトは絶大だったといえるでしょうし、低運賃は人を惹きつけるということも如実に示されています。

 旅行業とLCCとの関係については、まだ模索が始まって間もない段階でありこれという理想的なあり方も見出されていませんが、各社の動きは少なからず見られるようになっています。例えば、今週の8位にはi.JTBが国内旅行でジェットスター・ジャパン(GK)の便を利用してダイナミックパッケージを提供する記事が入りましたし、5位のさわやかプラスも記事自体はBtoB事業の開始ですが、新生JWの契約先として名を連ねています。

 運航スケジュールの利便性や欠航時の対応など課題はありますが、LCCが今後、日本の空で存在感を増していくことはまず間違いありません。

 10位の香港エクスプレス(UO)も、11月8日現在では世界6都市に就航しているのみですが、これを2014年には20都市から25都市、2018年には100都市に拡充しようとしています。2014年の20都市から25都市のうち、2、3都市は日本を想定しているとのことですから、実現すればたった1年程度で、今月就航する羽田、関空を含めて5都市と香港を結ぶことになります。

 先ほども触れた通り、「LCCと上手に付き合う方法」はまだ見つかっていませんけれども、特にレジャー分野では見ないふりをしてやり過ごせる存在ではありません。我が社の顧客はLCCにお乗りいただくようなお客様ではない、といった場合でも、FSC側もLCCとの競争の中で路線展開や販売を進めていくわけですから無関係とはいえないように思われます。

 一方で、あと半年もすれば羽田の昼間時間帯が使用可能となり、国際線の座席供給量がかなり増加しますので、そういった影響も考慮していく必要があります。各社の仕入れ交渉の中身を取材することは困難ですが、今後1年程度の間にどのような変化が起きるのか非常に興味深いところです。

 なお、今週は6位にエイチ・アイ・エス(HIS)の学生旅行の記事もランクインしました。旅行自体の内容もさることながら、就職前の出費の多い時期にも旅行できるよう「出世払い」の選択肢を用意しており、実際に利用する学生がどの程度いるかは分かりませんが、目を引くことは間違いないでしょう。物事を柔軟に捉え、こうした創意工夫を可能な限り積み重ねていくことが成功に結びつくのではないかと思われます。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年11月第2週:11月1日0時~11月8日18時)
第1位
バニラ・エア、全路線1000円、就航記念で1.3万席提供(13/11/01)

第2位
大手旅行会社の年末年始、ほぼ好調-仕入強化、キャンセル待ち対策も(13/11/07)

第3位
JAL・ANA、上期の国際線旅客は1%減の702万人、太平洋線好調(13/11/05)

第4位
フィリピン航空、成田2路線で増便、マニラは1日3便に(13/11/05)

第5位
さわやかプラス、BtoB開始、グアムチャーター販売-現地手配も(13/11/05)

第6位
HIS、学生旅行の販売開始、「出世払い」も(13/11/06)

第7位
カタール航空、ワンワールドに正式加盟、中東周回パスも(13/11/03)

第8位
JTB、ジェットスターJをダイナミックパッケージで販売(13/11/07)

第9位
ガルーダ、限定「男メシ」提供へ、関空発便で(13/11/05)

第10位
香港エクスプレス、14年に日本5都市就航めざす、関空好調で増便(13/11/07)