日韓観光交流、官民連携で復調へ-JATAも取り組み積極化
▽JATAとKATA、観光フォーラムで意見交換-訪日「危機的状況」
また、9月12日には日本旅行業協会(JATA)と韓国旅行業協会(KATA)が10回目となる観光フォーラムを開催。今までは日本発アウトバウンドを中心に実施してきたが、今年はアウトバウンド、インバウンド双方で議論をおこなった。
JATA会長の菊間潤吾氏は「双方向での交流促進をはかる。議論を尽くして課題解決に向かっていきたい」と意気込みを示した。また、KATA会長の梁武承氏も「FITが増加する中どう旅行会社を使ってもらえるかが両国とも課題」とし、「より質の高い旅行商品を造成していく」と述べた。
観光フォーラムでは、JATA海外旅行推進委員会副委員長の林田建夫氏が、訪韓日本人数が激減しており、販売単価が落ちている点を課題として指摘。高付加価値商品の展開で危機を乗り切るべきとした。韓国の旅行会社からも「日本から韓国への送客激減が韓国の旅行業界に危機をもたらしている」と指摘があり、韓国を高付加価値市場として認識してほしいとの要望が出された。
一方、韓国発日本行きでは、韓国の旅行会社から8月15日の汚染水問題発覚で日本への韓国人旅行者の9割が取り消しになったとの話がなされ、日本への旅行が危機的状況になっているとの意見も出された。こうしたなか、フォーラムでは2011年の南九州新燃岳噴火の際に発売した火山ヘリコプターツアーが紹介され、危機を逆手にとったニッチな商品の販売についての提案が出された。
なお、観光フォーラム内では林田氏が観光地方都市の促進をはかるための観光ワーキングの開始を提案。JATAによると、遅くとも11月には開始したい考えだ。