4月の出国者数は12.3%減-訪日は単月で過去最高に

  • 2013年5月23日

 日本政府観光局(JNTO)によると、2013年4月の日本人出国者数は前年比12.3%減の123万7000人となり、2ケタ減となった。観光庁長官の井手憲文氏によると、円安傾向に加えてゴールデンウィークの日並びの悪さなどが減少の一因となったとの考え。海外旅行は落ち込んだが、国内旅行は好調だったという。

 一方、訪日外客数は18.1%増の92万3000人と過去最高を記録。単月として初めて90万人台となった。JNTOによると、ビジット・ジャパンのプロモーションに加え、円安傾向に振れたことで訪日旅行に対する割安感が出てきたこと、航空座席の増加などが数字の伸びに貢献したとの考えだ。

 国別では韓国が昨年の秋まで風評被害などで悪かった反動もあり33.7%増の20万4200人と大幅に増加。中国は33.0%減の10万200人と減少が続いているが、それ以外のアジアについては好調に推移しており、台湾、タイ、ベトナムは単月で過去最高となり、韓国、香港、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インドは4月として過去最高を記録した。このほか、フランスやロシアも単月過去最高を記録している。

 単月ベースでは好調に推移している訪日外客数だが、井手氏は訪日1000万人達成は現行の伸び率では難しいとし、「あまり楽観的にはなれない」と厳しい見方を示す。1月から4月の累計は18.0%増の317万8100人となっており、このまま18%増で推移すると、今年は980万人台となる見込み。井手氏は「もうひとつ上積みしていかないと届かない」と述べ、引き続き訪日外客数の増加に積極的に取り組んでいく考えを示した。