トップインタビュー:JATA会長 菊間潤吾氏(後)
安易なものづくりからの脱却へ
知識や商品力の向上に取り組む
-2013年もLCCの勢力拡大が予想されますが、チャーターなどを含めた航空仕入れの問題についてはいかがでしょうか
菊間 旅行会社離れは、消費者よりもサプライヤーの方が大きい。その中で旅行会社としてどうするか。需要が高い「いい曜日、いい出発日の座席」を航空会社が優先的に販売する傾向となるのは、当然の流れといえる部分もある。旅行業界が何を言ってもPEX運賃は多くなっていくだろうし、需要の高い座席はだんだん厳しくなっていくだろう。
これに対して、オフシーズンやベストではない曜日などの座席はLCCを含めて数多く提供される。その座席で売れる商品をどう開発していくかが開発力だ。また、1席あたりの価値を考えなおすべきというか、1席ごとの収益性向上に工夫を凝らすことも必要だろう。それを応援するのがJATAの役割だ。
また、チャーターについても、航空会社がどこかに飛ばすからそれを買うというのではなく、旅行会社が市場を創りだすために持ってくるという流れにしなければだめだろう。
LCCについては、彼らが全ての旅行会社と取引をおこなうということは考えられない。大量送客のできる旅行会社との取引が中心となっていくことは十分に想像できる。一方で、格安の旅行を求めている消費者がLCCを求めれば、フルサービスキャリア(FSC)の座席が今よりも使いやすくなる可能性はあると思っている。
いずれにしても、価値創造とは、今までのような仕入れが難しくなった場合でも売れる商品を作ることだ。その方向に進んで行かなければ生きていけない。
-ありがとうございました