トップインタビュー:ハワイ州観光局(HTJ)代表 高畑エリック氏
旅行業界が一体感を持てたのが12年の最大の成果
13年はファーストタイマー、MICE、隣島強化でさらなる上積みめざす
-成果として挙げた旅行業界の一体感は、どのようにして作っていったのですか
高畑 HTJの活動内容は、以前はコンシューマー寄りに展開しており広告予算もB2Cに大半を注ぎ込んでいた。しかし新体制ではアプローチを変え、活動内容も予算も旅行業界へシフトした。もちろんHTJの本局に当たるHTA(ハワイ・ツーリズム・オーソリティー)の方針転換があってのことだが、旅行業界との関係をこれまで以上に重視する方針を打ち出したことで、HTJが業界の一体感を育てていく上で力になれた。
また大手旅行会社、中小旅行会社といった規模の大小による線引きをせず、同じ大切なパートナーとして均等にサポートする姿勢を打ち出した。もちろんマーケットシェアや送客人数により、それに見合ったサポートをするわけだが、HTJは大手旅行会社も中小旅行会社もパートナーとしては同等の存在だと考えている。
-13年の目標について聞かせてください
高畑 12年はいい結果が残せたが、13年も旅行業界のコンディションはいいと予想され、いい流れに乗っているので、これをさらに強化していく。旅行業界の一体感もさらに高め、さらに上をめざしたい。具体的には12年比で3%から5%の伸びをめざす。
13年のさらなる成長に向けてすでにいいニュースも多い。たとえば航空便については12年の福岡線や札幌線の就航に続き、13年は仙台線の復活も実現しそうだ。またチャーター便については、大韓航空(KE)だけでも13年1月から4月の4ヶ月間で54本も予定されている。
HTJとしての方針は、先ほども説明したとおり、ファーストタイマー、MICE、隣島をマーケティングの3本柱とする。ファーストタイマーとは、ハワイを一度も訪れたことがない旅行者のことで、MICEとは10人以上のグループのことを指している。MICEというと、企業インセンティブとか職場旅行、国際会議・学会などを連想するが、たとえば同行者を伴うウエディングやロマンスマーケット、芸能人のファンクラブ・ツアーなど広い意味でのMICEと考えている。
もうひとつ重視しているのは、地方マーケットの存在だ。福岡線や札幌線の就航に伴う旅行者の増加で明らかになったのが地方マーケットのポテンシャルの高さだ。地方におけるファーストタイマーの潜在需要は大きい。HTJとしては地方メディアや地場の旅行会社とのコラボレーションを通じて、地方におけるマーケティング、宣伝、告知に取り組んでいきたい。
-活動内容が盛りだくさんですね
高畑 HTJの活動に関して一言添えておくと、13年こそが新生HTJにとって本格的な始動の年だということ。12年は6月までの半年間はほぼ引き継ぎ業務に忙殺され、ようやく夏の終わりか秋になって新体制での活動を始められた。その意味で13年はわれわれにとっても真価が問われる年になる。