ハワイ、200万人実現に向けた課題-日本ハワイ観光協議会の議論から
ファーストタイマー、隣島、MICEの3テーマ
旅行会社の認知向上、コナ線復活が共通課題
▽MICE、隣島インセンティブに注力
旅行会社の知識向上も取り組み継続
MICEについては、大型コンベンションの情報を旅行会社が得にくいこと、ハワイビジターズ&コンベンションビューロー(HVCB)日本オフィスを巻き込んだHTJの運営変更、ホテルの稼働率などについて、旅行会社側から「そもそもハワイはMICEの拡大を必要としているのか」という問題提起からスタートし、最終的には隣島への集中と、特にインセンティブの重視を確認した。
今後の取組としては、隣島へのインセンティブ増加のため、30人から100人の規模で初めて隣島で同一行動をするグループに対して、何らかのサポートを提供することで合意。サポートの内容は今後の協議事項となった。また、企業トップの招待も検討する。
なお、各分科会に共通したのはコナ線と旅行会社の教育。コナ線についてはHAの羽田線の申請が却下されたばかりだが、内山氏は「他の可能性もある」と説明。日本航空(JL)や全日空(NH)、LCCの誘致を含めて活動していく方針だ。また、マウイについても、環境配慮の問題はあるものの以前のような硬直的な対応はなくなりつつあるといい、将来的には直行便の就航も可能との見通しがあるという。
旅行会社の教育については、FAMツアーと、旅行業界向け優待プログラム「マハロ・マンス」の有効活用の必要性を指摘する声が多かった。特にマハロ・マンスについては、FAMツアーに参加しにくい地方の旅行会社社員でも自らの旅行としてハワイを体験できることから期待する声がある一方、認知度が不十分である点が課題とされ、また、マハロ・マンスの対象期間が4月と5月に限られている現状は、ゴールデンウィークのある日本市場には適さないとの指摘もあった。これに対してはHTAから、実施期間の拡大など利便性の向上を検討する意向が示されている。
このほか、入国時の混雑についても、HTAが意欲を示す事前入国審査(プレクリアランス)の実現に日本側としても協力していく方針だ。プレクリアランスは出発空港で入国審査をおこなう仕組みで、カナダから米国への入国の際に実施されているもの。日米政府間の交渉が必要となるものの、内山氏は米軍基地からの出発など、「ワイルドなアイディア」を含めて可能性を検討していく方針を示した。