インタビュー:スクートCEOのキャンベル・ウィルソン氏
日中豪が主要市場
日本は旅行会社重視の姿勢強調
-路線展開はどのような戦略でされているでしょうか
ウィルソン TZでは、中国、オーストラリア、日本を主要市場と位置づけている。中国は巨大な市場で成長も早く、オーストラリアは成熟した市場で人々が頻繁に旅行に行く上、デスティネーションとしても人気が高い。日本は人口が多く、ローコストの波が押し寄せはじめたばかりで成長の余力がある。このほか、インドも潜在需要のある大きな市場として捉えている。
路線は、現時点ではシンガポール/バンコク線を除いて4時間から8時間の飛行距離の路線をターゲットにしている。将来的にはより長距離の路線への就航もめざしたい。日本の他の都市への就航にも興味は持っている。しかし、具体的な計画はない。10都市目、11都市目の就航地については、中国、オーストラリア、日本の中で決めていくことになる。
-日本市場での販売戦略はどのようにお考えでしょうか
ウィルソン 日本発については、いきなり爆発的に売れるとは思っていない。というのも、シンガポール/台北間は日本就航前から飛んでおり、この区間の航空券はさほど残っていない。就航後の数ヶ月は台北行きとしての利用が多いだろう。
とはいえ、オーストラリアなどシンガポール以遠に2回も乗り継いで行きたくないという人もいるだろうが、そうでない人もいるはずだ。若年層で、台北やシンガポールに非常に安い運賃で行って数日を過ごし、そこからさらに先に行きたいと考える人もいると考えている。バックパッカーや、より冒険心のある客層だ。3日間しか休みがない人は直行便を使うだろうが。
ターゲットは、TZ全体として、若くてコストコンシャスな層をねらっているが、日本ではさらにこの傾向が強いのではないか。言葉の問題もあるが、20人の日本人客室乗務員を雇用しており、日本語を話すシンガポール人を含めて最低でも1便あたり2名は日本語を話すスタッフがいるようにしている。
なお、ビジネス需要は1日1便では厳しいと見ている。
-旅行会社経由の流通について方針をお聞かせください
ウィルソン 直販比率はオーストラリアでは90%、シンガポールはそれより少ないくらいで、中国はほとんど旅行会社経由となっており、市場によって異なる。
日本市場での直販比率については、正直なところまだわからない。ただ、50%から60%は旅行会社経由になるのではないか。日本市場では、旅行会社との協力関係の構築なくして成功はないだろう。
すでにインフィニ・トラベル・インフォメーションと契約しているが、日本への就航当初からGDSと契約したLCCは我々が初めてなのではないか。多少は時間がかかるが、我々が本気で旅行会社と協力関係を構築したいと考えており、安全性、信頼性を備えた航空会社であるということを理解していただけると思う。
-ありがとうございました