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インタビュー:スクートCEOのキャンベル・ウィルソン氏

日中豪が主要市場
日本は旅行会社重視の姿勢強調

-SQ日本支社長時代のインタビューでは、「ローコストは航空会社のコストを意味しており、必ずしも旅客のコストを意味するわけではない。旅客がFSC以上の運賃を支払っているケースも往々にしてあるのでは」と話されていました

ウィルソン TZの運賃体系は、通常時で平均してFSCよりも40%ほど安い。そして、プロモーションや就航記念運賃などはさらに大幅に安くする。

 確かにFSCも早い段階で買えば安い運賃をほぼ確実に手に入れられる。しかし、出発直前に買えばより多く支払わなければならない。我々の運賃体系では、出発直前でも同じ路線、同じ時間帯のFSC便よりも安い運賃を提供する。

 問題は、どれだけオプションを付けるかだ。受託手荷物、広めの座席、食事、飲み物、エンターテイメントなどを何から何まで選択してしまえば、期待されるローコストには至らないだろう。我々は、お客様に選択の可能性を提供しており、必要なもののみお支払いいただけば良い。これに対してFSCでは、お客様は望もうと望むまいとそれらのオプションに対価を支払っているということだ。


-TZの今後の事業展開についてお聞かせください

ウィルソン 燃油の購入、為替ヘッジ、整備など後ろ盾はSQ子会社としてのメリットを生かし、マーケティング、ブランディング、顧客サービスなどはすべてTZが独自に手がける。

 事業拡大は素早く進める。就航から4ヶ月間でも、すでに急速な路線網の拡充を果たせており、11月中には9都市に就航する。TZは先ごろに20機のB787型機を発注している。現時点で4機の機材で9都市に路線を開設しているが、これが20機になるわけで、事業規模がどのように大きくなるか想像していただけるのではないか。

 現在の戦略の柱として位置づけているのは、認知向上。新しい航空会社であり、より広く知っていただかなければならない。とはいえ、十分な認知を得られていない現状でも好調な業績を実現できており、4ヶ月間の搭乗者数は25万人に達し、年内には50万人を突破する見込みだ。全路線の平均ロードファクターも81%を維持しており、矢継ぎ早に新路線を開設しながらこの数値を維持できている点は評価して良いだろう。

 なお、B787型機については、初号機の受納は2014年後半で、その後2015年にかなりの数を受け取って現在のB777型機を置き換え、その後2018年ないし2019年までに1年あたり2、3機ずつ納入される計画だ。