ツアーグランプリ、国交相賞はワールド航空のインスブルック長期滞在ツアー
日本旅行業協会(JATA)は9月21日、ツアーグランプリ2012の表彰式をJATA旅博会場内で開催した。これは、旅行会社の企画力とマーケティング力の向上や、デスティネーションの開発、国の観光立国の政策に寄与することなどを目的に表彰をおこなうもの。今年から今までの「ツアーオブザイヤー」から名称を変更し、表彰部門を拡大した。エントリー数は昨年の101件を上回る、海外が106件、国内が42件、計148の応募があり、受賞作品には海外部門8作品、国内部門3作品を選出した。
国土交通大臣賞はワールド航空サービスの「新提案2011ワールドサマービレッジ アルプスの古都 インスブルック長期滞在の旅 8日間、10日間、16日間、30日間」が受賞。このツアーはパッケージ旅行部門を獲得しており、ロングステイ商品をパッケージツアーで企画し、旅行会社がバックアップするという発想が評価された。受賞者挨拶では「いかに参加者がインスブルックに馴染むかが課題だった」と振り返り、そのために1人参加でも楽しめるプログラムの提供、オリジナルマップの作成、レストランガイドの日本語訳の用意などサポートを実施。観光局をはじめ現地の人々の積極的な協力もあり、成功したと喜びを述べた。
また、観光庁長官賞は国内訪日旅行部門がクラブツーリズムの「港町に再び鳴り響く・・・鉄道の音、船の汽笛 朝の喧騒『絆』でつなぐ三陸路2日間」、
海外旅行部門がJTBワールドバケーションズの「JTBお買い得旅『B級グルメを楽しむ アジア』」が選ばれた。
式の冒頭には、日本旅行作家協会会長で審査委員長の兼高かおる氏が登壇し、「毎年面白いが、今年は一段と感覚が違ってきている」と審査を振り返った。観光庁長官の井手憲文氏も「今年は新しい感性、取り組みがふんだんに盛り込まれている商品だった」と述べた。井手氏は「ニーズが変われば変わるほど、旅行商品の造成は難しい。いろいろな工夫や努力が必要」とし、旅行会社がインターネットの個人手配では簡単にはできない、付加価値のある商品造成を旅行会社に呼びかけた。
最後に、ツアーグランプリ2012実行委員長である日本旅行業協会(JATA)理事の古木康太郎氏が登壇。ワールド航空サービスの受賞商品を「現代的ツアーの基本にあたるのでは」と述べ、「こうした企画を競争し切磋琢磨して、2013年も多くのエントリーを増やしていって欲しい」と締めくくった。
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