12年の春闘、一時金で前年超え-交渉は長期化傾向
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(連合)によると、2012年の春闘は、多くの加盟組合で賃金カーブ維持分を確保し、一時金水準も昨年を上回った。しかし、経済不安で各企業が業績を見定めるため慎重な姿勢を示し、交渉が長期化、もしくは再協議となった組合もあった。また、一時金の年間協定が減少し、夏期のみで決着する組合が増加した。
賃金改善要求について、観光・航空貨物業で6月21日現在集計できた合意36組合の加重平均は5669円(1.87%)、単純平均は5914円(2.02%)となった。純粋な賃金改善は9組合が要求し、1組合で前進があった。契約社員やパートタイマーなどの賃金改善は、要求した28組合全てで合意した。夏期一時金は単純平均で49組合で1.72ヶ月となり、昨年を上回った。
ホテル・レジャー業では、6月21日現在、集計可能な16組合の単純平均は3819円(前年:16組合、4012円)となった。一時金は単純平均で19組合2.22ヶ月(9組合、1.61ヶ月)、夏期のみは37組合1.07ヶ月(35組合、0.88ヶ月)となった。
2012年秋闘では、経済の先行き不透明感が続き、企業と春闘から継続協議となっている加盟組合も多いことから厳しい状況が予想されるとした。各加盟団体の具体的な方針の早期確立をめざし、未確定の冬期一時金の交渉に注力する方針だ。