東電、千葉県の太平洋沿岸地域も観光業の賠償対象地域に
東京電力(東電)は1月10日、原発事故による観光業の風評被害について、賠償対象地域に新たに千葉県の太平洋沿岸地域を追加した。これまでは福島、茨城、栃木、群馬県に事業所がある法人、個人事業主を対象としていたが、千葉県の16市町村が新たに加わる。
東電によると、千葉県が実施したアンケート調査や海水浴客、観光客数の減少などから総合的に判断し、「当社事故と相当因果関係が認められる損害が発生している」ことから追加を決定した。追加した地域は、千葉県銚子市、旭市、匝瑳市、横芝光町、山武市、九十九里町、大網白里町、白子町、長生村、一宮町、いすみ市、御宿町、勝浦市、鴨川市、南房総市、館山市。以前高濃度のセシウムが検出された茨城県沖から近いことから影響が大きかったとの考えだ。
賠償基準は既に適用しているものと同様で、3月11日以降が対象となる。請求は「観光業者さま用A」の請求書類で受け付ける。請求書類の発送希望者は、「福島原子力補償相談室(コールセンター)」に連絡すること。また、今回追加されなかった地域については「地域単位でまるごと対象とするのは難しい」が、賠償請求があった場合、コールセンターなどで事情をヒアリングし個別に対応していく考えだ。
なお、東電によると1月10日現在、観光業の風評被害に対し支払われた賠償金額は、約1400件114億円となる。
▽福島原子力補償相談室(コールセンター)
電話番号:0120-926-404
受付時間:午前9時~午後9時