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新春トップインタビュー:日本旅行業協会会長 金井耿氏

  • 2012年1月10日

2012年は1780万人の壁破る年に
燃油や人材育成など取り組み進める

-来年度の事業計画の骨子は固まったでしょうか

金井 これまでの展開とそう大きく変わることはないが、やはり震災復興、需要の復活の取り組みは一つの継続的なテーマとして入ってくると思う。

 後は、我々自身が需要創造をどうやっていくかということを大きなテーマに設定している。ビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)については最終的な結論は出ていないが、3月までに方向性をはっきりする。今のような形のままで持続するかどうかは未定だが、これまで続けてきたものを無駄にはしない。


-チャーターなど航空仕入れ関連の取り組みは

金井 現状としては、訪日旅行者の減少によって日本向けの座席が増えているが、訪日需要の回復に伴ってタイトになるのは目に見えている。チャーターというのはひとつの解決策として大きい。我々も様々な取り組みを進めており、例えばJATAが中心になって募るようなやり方も実際に始まっている。そういうものを必要な時期に必要な形で設定していくことが不可欠だろう。

 もう一つはLCCとどう組むかが問題だ。LCC側も、日本市場では必然的に旅行会社と組まざるを得ないと思い始めているという話も聞く。私は以前あまり肯定的ではなかったが、今はある程度協調関係を考えていくことになるだろうと考えている。

 加えて、燃油サーチャージも懸案だろう。きわめて不透明と言わざるを得ない。透明そうにみえて不透明。切り離してあるがゆえに、全体のコストとの関係が全くわからない。言い過ぎると物議をかもすかもしれないが、数千円の航空券に何万円という燃油サーチャージが付くケースすらある。誰が考えても何かがおかしい話で、業界の中でもそうとうストレスが溜まっている。我々はそれをきっちり受け止めて行動しなければいけないと思う。

 ただ、過去に(旅行業界として燃油サーチャージの徴収を)認めてしまっているという事実もある。認めた時といかに内容的に変わってきているかなど、いろいろと理論武装して働きかけて行かなければならない。