新春トップインタビュー:日本旅行業協会会長 金井耿氏
2012年は1780万人の壁破る年に
燃油や人材育成など取り組み進める
-昨年のJATA国際観光会議で旅行会社は「崖っぷち」に立っているとご発言され,人材育成の必要性を訴えられていました
金井 人材の問題は重要だ。現在、インターネットでの旅行流通が伸びており、オンライン専門だけでなく、普通の伝統的な旅行会社もネット販売に力を入れ始めているが、そうなればなるほど人の育て方が大切になると思う。
インターネット販売では、どちらかというとツールとしてのインターネットをどう有効に活用するかに話が行きがちだが、むしろ問題はコンテンツの方。今でもそういう傾向があるが、このままでは実際には現地を知らないで商品を造るような状況がますます増えてしまうことを危惧している。
良し悪しがあるとはいえ、添乗を外出しして派遣の仕組みの中でやるようになり、それが旅行会社の従業員が実際に現地に行ってみるという機会を奪ったことは間違いない。それがさらに進んで、ツールとしてのインターネットをどううまく活かすかに力点がいくと余計におかしくなってしまう。そこは一番気をつけるべきポイントだという気がしている。余裕が無いから出しにくい事情があるとはいえ、例えばFAMの機会などを捉えて現地を見てくるといった努力を必死にするべきだろう。
-JATAとしてはどのように取り組んでいくお考えでしょうか
金井 まず各政府観光局と協調してFAMなどのチャンスを増やし、会員会社の従業員が現地を見られるようにつなげていく。それが大きな役割だろう。
また、デスティネーション・スペシャリストについても、もう少し制度を活かしたい。せっかく取得しても、箔は付いているかもしれないが、看板で終わってしまっている部分もある。我々も一般社団法人になったこともあるので、制度のあり方や内容を充実させたり、もう少し幅の広いものにしていきたい。
例えば同じデスティネーションでもレベルを分けてみたり、業務に携わってない人でも受けられるようにしたりするのも選択肢になる。こうした可能性についての検討はすでにJATA内で始めている。
-ありがとうございました