カナダ、震災から回復傾向、来年へ期待も-ショーケース・カナダ
座席供給、ACの機材大型化や来夏カルガリー線増便に期待
航空座席の話題では、エア・カナダ(AC)日本地区旅客営業・マーケティング本部長のワイス貴代氏が、来夏の成田/カルガリー線を「2便増便し、週5便で就航する予定で動いている」と述べた。また、2012年春頃から成田/バンクーバー線にボーイングB777型機の導入を検討しており、今年と比べて80席増加する見込みだという。
これに対して、会場の旅行会社からは、今年の燃油サーチャージの上昇で冬のパッケージの単価が上がるため「冬が高いと売るのは難しい。メインの夏のカナディアンロッキーや秋のメープル街道など、王道のパッケージで量を売りたい」という意見もあがっており、ACの動きに期待する意見もあった。
また、ワイス氏は、今年9月の日本/カナダ間航空交渉で合意された2013年の成田関連路線のオープンスカイについて、「既にスロットを持っているため、あまり大きく変化はしない」との考えを示した。羽田線の就航についても、2013年度末までには羽田の発着枠拡大で「チャンスがやってくるとは思う」としながらも、「昼の時間帯で羽田のスロットが得られれば喜んで就航したい」とし、実施はまだ先との考えを示した。
一方、オープンスカイを見越し、直行便の誘致に積極的な観光局もある。ケベック州政府観光局のフォルティエ氏は「オープンスカイは我々にとって非常に喜ばしいニュース」とし、日本/モントリオール間の新路線の開設に期待を示した。モントリオール空港では新規就航に対しインセンティブを設けるなど対策しており、観光局としても新路線の開設を働きかけていく考えだ。
チーム・カナダの各州観光局、来年の取り組み
チーム・カナダに属する各州観光局では、独自に各州のアピールや情報提供もおこなっている。ショーケース・カナダ会場で、各州観光局の方針を聞いた。
BC州観光局は、引き続き「山ガール」を対象にしたプロモーションを展開する。また、バンクーバーとビクトリアでの街歩きやカナディアンロッキーを中心とした西部の周遊、グループインセンティブ・教育旅行の誘致をめざしていく。
アルバータ州観光公社は、2012年に100周年を迎えるカルガリー・スタンピードをアピール。日本市場向けの予算を増加し、今年好調だったACの夏のカルガリー直行便を来期も引き続き訴える。また、カナダ王立天文学会から「世界で一番暗い空」に認定されたジャスパーをはじめ、カナディアンロッキーでの星空観察会など、新しいプロダクトもピーアールしていく。
一方、オンタリオ州観光局は現在メインのシニア層に加え、若者層の誘致をはかる。夏と秋のアガワ渓谷をアピールする計画で、来年オーバーシーズトラベルなどと協力してロモーションを展開する計画だ。また、今年もACと「冬のトロントキャンペーン」を展開し、トロントでの滞在日数の増加をはかる。
PEI州政府観光局は、「食旅」をフックに年間を通して集客をはかる考え。また、冬の閑散期に対し、赤毛のアンのクリスマスの世界をフックに、クリスマスシーズンの滞在を訴える。クリスマスのファムツアーも実施する予定だ。