カナダ、震災から回復傾向、来年へ期待も-ショーケース・カナダ
チーム・カナダの取り組み、観光局や旅行会社も評価
震災の落ち込みからの回復に対し、ショーケースでは「チーム・カナダ」の取り組みについて評価する声が上がった。CTCは2010年からブリティッシュ・コロンビア(BC)州観光局、アルバータ州観光公社、オンタリオ州観光局、プリンス・エドワード島(PEI)州政府観光局の4つの在日各州観光局とチーム・カナダを発足し、一体となってプロモーションを展開している。
BC州観光局日本地区マネージャーの菊池友子氏は「カナダとして旅行会社に訴えたほうがわかりやすい。上期、下期トータルでプランニングができるためメリットがある」と述べた。また、アルバータ州観光公社ディレクターの小西美砂江氏も「カナダ全体の業界での認知度が向上した」と評価。カナダのブランディングのため各観光局一丸で取り組んだことで、旅行商品の展開へつながり、観光局独自で実施したキャンペーンとの相乗効果もあがったという。
旅行会社側も、チーム・カナダの取り組みを歓迎している。ショーケースに参加した旅行会社からは「窓口が1つになったことで、情報が受け取りやすくなった」「お客様にとっては行き先は『カナダ』であり、州観光局ごとには見ていない。チーム・カナダになったことでよりわかりやすくなった」との意見だ。
2012年、新たに2つの観光局が参加
CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏によると、2012年のチーム・カナダは、新たにユーコン準州観光局とノースウェスト・テリトリーズ観光局が加わり、活動をさらに強化していく考えだ。カナダ・スペシャリストプログラム(CSP)などを活用し知識の向上をはかり、新しいプロダクトも積極的に紹介していく。
ノースウェスト・テリトリーズ観光局マーケティング・ディレクターのロン・オストロム氏は「チーム・カナダ加入はとても良い機会。CTCとともに日本市場の活性化をめざしたい」とした。「カナダ オーロラ州」をキャッチにイエローナイフやナハニなどでのオーロラの魅力を打ち出し、滞在日数の増加をはかる考え。白夜も夏の体験としてアピールしていく。
また、ユーコン準州観光局アジア・パシフィック・マーケティングオフィサーのマーガレット・グッドウィン氏も、「ユーコンをさらに日本の旅行会社の皆様に知っていただける」と期待。同氏によると、近年オーロラ景勝地としてホワイトホースがパッケージツアーに組み込まれるようになり、日本人観光客数が増加した。来年は日本向け予算を2倍に増加し、旅行業界に対しプロモーションを強化することで日本市場の拡大をはかる。
チーム・カナダへの加入を検討中の観光局もある。ケベック州政府観光局マーケットアドバイザーのエレーヌ・フォルティエ氏は「予算次第」としながらも、「新しいプロダクトを日本市場に訴えるためにも加入したい」と述べた。同観光局では新しいプロダクトとして、夏の観光列車や、2011年12月にモントリオールにソフトオープン予定のアイスホテル「スノービレッジ」をアピール。日本市場にプロモーションしたい考えだ。