カナダ、震災から回復傾向、来年へ期待も-ショーケース・カナダ
カナダ観光局(CTC)は10月19日と20日の2日間、釜山で開催したショーケース・カナダで日本の旅行業界を対象に商談会を開催した。3月の東日本大震災以降、落ち込んでいた日本人訪問者数は夏ごろから回復傾向にある。CTCではチーム・カナダの活動を継続し、カナダの認知向上をはかるとともに、航空座席に余裕がある冬のショルダーシーズンのプロモーションに注力。こうした取組の成果が徐々に現れてきているという。今回は、ショーケース・カナダで、CTCをはじめとした各観光局の取り組みと、今後の方針について聞いた。
震災の影響、夏ごろから回復へ-秋は「好調」の声も
CTCによると、震災の影響で2011年1月から6月までの日本人訪問者数は前年比18%減となった。しかし、7月までは16%減、8月までは14%減と減少幅は縮小し、8月単月では9%減まで回復。ショーケース出展者の話でも、3月、4月は震災により大きな打撃を受けたが、6月、7月ごろから日本人観光客は回復傾向にあり、秋や冬が日本市場の主なシーズンのデスティネーションからは「影響は特にない」との声もあった。オンタリオ州観光局でも、紅葉シーズンのチャーター利用商品がほぼ満席だったという。
また、あるオペレーターによると「震災直後はキャンセルが多かったが、9月から大分回復してきた。円高のメリットもあり、冬の状況は良い」という。CTC副社長のチャールズ・マッキー氏も「震災の影響もあったが、日本市場のポテンシャルは高い」と期待を示した。
CTCでは現在、ショルダーシーズンである冬のアピールに注力しており、冬のアクティビティを紹介する特設サイトも開設。航空座席にも余裕があることから、送客を促したい考えだ。
ショーケースでも冬の素材を積極的にアピールする出展者の姿が多くみられた。とくに2011年から2、3年は12年に1度の太陽活動の極大期の前後でオーロラが現れやすくなる。カナダでは9月から翌年の4月までオーロラを楽しめるため、オーロラが観察できる地域では、プロモーションを強化。ランドオペレーターにも、日本人向けに3日程度で参加できるオプショナルツアーを新たに造成するなど、日本人の取り込みに積極的な動きも見られた。参加した旅行会社からも「今年もエドモントンやバンフでオーロラが見れる。今後3年間は(冬は)売れ筋なのではないか」との意見もあった。