約款に「柔軟性」を、取消料や旅程保証など議論-JATAシンポ
▽約款見直しには「柔軟性」を
原氏は、約款見直しの方向性について、議論を踏まえ「日本は消費者保護という観点で動いてきたが、すでに市場は成熟した」と語り、「日本の約款が旅行市場の足かせ、市場縮小させるようなことにならないためには、フレキシブルなものにする必要があるのでは」と提言。石井氏も、「一律の約款で規制するのは遅れている。ガイドラインだけを決めて、取消料などはそれぞれ設定すればいいのでは」とし、特に取消料に柔軟性が必要と意見を述べた。
なお、事故などの発生時の第一次責任が、現行の約款ではサプライヤーに追求される点についてホルト氏は、ヨーロッパでは「会社として商品の責任をとるのは当然」であり、「事故が起こったときに旅行会社がどう対応するか、リスク管理をどうしているかをセールスポイントとして説明している」と紹介。旅行会社が負う責任を増すことで、旅行会社が提供する価値が向上できると説明した。
責任が増すことでリスクも増えるが、これについて石井氏は、フランスの旅行業界では「何かが起こった場合のために、料金の中に保険を含む状態でセットされている」と話し、保険契約が徹底されていることを紹介。原氏も、保険の問題について「ぜひ検討してはどうか」と同調した。
取材:江藤詩文