「勝負画像」が海外旅行を決める-エイビーロード海外旅行セミナー

  • 2011年8月23日
勝負画像の活用、近いコンテンツを当てはめる

マリーナベイサンズは、SMAPが出演したCMで人気が上昇  今回はマレーシアについての調査となったが、勝負画像については「どの国にも同じことがいえる」と稲垣氏はいう。絶対大事な案件は「一押しのコンテンツを決めて良い画像を見せること」といい、そのため「地域のコンテンツのリストアップとその強み、弱み、ターゲットに対する優先順位をつけておきたい」と話す。同じ場所でも撮影位置や季節、時間帯などで様々な画像ができるため、複数の画像を用意すべきとし、「最近はバナー広告のクリック率を計測できるツールがあるので、利用すれば画像の優劣は簡単に分かる」とアドバイスする。

 また、勝負画像を活用する大前提として、ライブラリーの写真を充実させておくことも指摘する。ホームページやポスター、新聞広告、パンフレットにしても掲載できる点数は限られているが、だからこそいい写真を利用してもらうことが大切。全体的にストックを増やし、簡単に利用できる環境を整備しておくことも観光ピーアールで重要だとする。

 このほか、他地域の人気コンテンツと類似のものを考慮するのも大事な視点だ。今回は、ペトロナスツインタワーと水上コテージが人気だったが、「例えばシンガポールならマリーナベイサンズがペトロナスツインタワーに当たるかもしれないし、フィリピンではエルニドに水上コテージがある。他の国でのキラーコンテンツとなっているもので似ているものが自分の国にないか、考える価値は十分ある」と指摘する。

フランスは勝負画像をうまく利用している。今はモンサンミッシェルの露出が多い  なお、最後に稲垣氏は勝負画像の大事さの実例として、フランスのケースをあげた。一昔前、フランスはエッフェル塔や凱旋門を代表画像としていたが、現在はモンサンミッシェルにほぼ統一していると言っていいくらいに露出が多い。「パリに行ったことのある人も、モンサンミッシェルをみせることで再び、旅行先の候補とする。代表画像を変えていくことでいい効果が得られるのでは」と考えを示した。


キラーコンテンツは観光名所が多い

 キラーコンテンツとなるものはどんなものか。実は今回の調査とは別に、エイビーロードでは韓国を対象にインバウンドで西日本の観光コンテンツの画像を見せた調査を実施した。これによると、博多ラーメンなど食は認知度や旅行喚起度は高いが、行きたい順位では低くなる。「食べ物は行きたいと思わせても目的とするほどではない」と、稲垣氏。一方、順位で高いのは厳島神社や白川郷などの世界遺産が強く、「魅力的に思われても、キラーコンテンツになるかどうかはまた別の話。キラーコンテンツになるのはその土地にゆかりのある観光名所のものが強い」と傾向を説明した。