「勝負画像」が海外旅行を決める-エイビーロード海外旅行セミナー
では、どういう画像がどんな人々に響くのだろうか。今回、マレーシア政府観光局の協力を得て、20代から50代の男女を対象にインターネット調査を実施。マレーシアを代表する画像を調査対象者に見せて、その回答を集計した。用意した写真は「ペトロナスツインタワー」「KLタワー」「ジョージタウン」「マラッカ」「オランウータン」「ラフレシア」「キナバル公園」「ドラゴンフライ」「水上コテージ」「シパダン島」の10枚。それぞれ「その写真がどこか」「その場所に行ってみたいか」「行きたい順位」を聞き、そのあとで各写真について対象物についての説明を加え、同様に説明をした。
すると、KLタワー以外はすべて、説明すると「知っていた」「聞いたことがある」と認知率が高まった。そのため「もったいない。知っていても画像だけでは認知されなかった。ビジュアルのイメージをあげていくことが大事だ」と説明する。
一方、「その場所に行ってみたいか」の旅行喚起率では、ほとんどの画像が半数を超えており、興味を引いているようだ。特に説明後の旅行喚起率が高いのは、水上コテージ(75%)、シパダン島(66.5%)、ジョージタウン(65.6%)、ペトロナスツインタワー(65.4%)、マラッカ(59.5%)など。稲垣氏は「知らせれば魅力に思うコンテンツが多く、まだまだ開拓できる。積極的にピーアールのなかでアクセスの知識もインプットしたい」とアドバイスする。
キラーコンテンツはペトロナスツインタワーと水上コテージ
説明後に認知が上がる画像は認知が少なく、説明後に旅行喚起が上がるコンテンツは内容の認知が足りていない。そのため、「認知と旅行喚起率とも説明後に高くなる画像を、国を代表するコンテンツとしてピーアールに活用したい」と稲垣氏はいう。今回の調査で双方とも高くなったのは、ペトロナスツインタワーと水上コテージ、ジョージタウンなどだ。
さらに、行きたいと思う順位(優先順位)で1位となった写真を見ると、ペトロナスツインタワー(24.8%)、水上コテージ(22.8%)が2割を超え、高い数値となり、「これが旅行先を決めるほどのインパクトのあるコンテンツだ」と稲垣氏。旅行喚起率で高い数値となった「シパダン」や「ジョージタウン」「マラッカ」はやや後退したが「いつか行ってみたいがもっと行きたいところに行ってから、とも受け取れる」と話す。
この優先順位を性年代別にみれば、どの年代にどのコンテンツが目を引くのかが見てとれる。今回の調査では、ペトロナスツインタワーが全世代で1位から3位に入っており、特に20代、50代の男女と30代男性で1位となった。一方、水上コテージも全世代で1位から3位に入ったが、こちらは30代女性と40代男女で1位。「非常に分かりやすくわかれており、対象を考えながら2つの画像をピーアールの軸としていくのがいいのでは」と稲垣氏は話す。