「癒し」「絆」の素材発信 JR四国が商品説明会

 JR四国(泉雅文社長)は5月24日、大阪市北区のホテルモントレ大阪で商品説明会を開いた。四国各地の魅力や企画をアピールし、東日本大震災からの観光復興に向け「四国から日本を元気に」と声をあげた。


 同社の昨年度の関西からの鉄道利用旅行商品は、「坂の上の雲」「龍馬伝」など四国が舞台のドラマの放映や瀬戸内国際芸術祭開催の効果もあり、対前年145.5%と大幅に増加。同社の半井真司専務取締役鉄道事業本部長はあいさつで、「その反動と大震災の影響が懸念されるが、地元関係者と協力して魅力向上を図り、選択される地域として地力をつけたい」と意欲を語った。


 大震災を受けて四国から元気を発信しようという声も相次いだ。四国ツーリズム創造機構の松田清宏会長は「心を癒し、家族など絆を感じられるのが四国。四国に来て『またがんばろう』と思い、心を充電してほしい」。四国の旅館ホテルでつくるしあわせランド推進委員会の河内廣志委員長(愛媛県道後温泉・道後プリンスホテル)も「心のふるさと四国を知ってもらい、日本の元気につなげたい」と続いた。


 今年度の商品は「心に訴える素材の提案」「五感で楽しむ素材作り」をキーワードに、「素材の魅力そのものを伝える工夫」(半井専務)を施した。アンパンマン列車のPR文・写真を一新、商品説明においても商品企画書は特に推したい素材を特集として雑誌風に紹介するなど、素材の魅力を直感的に感じられるように改善した。


 商品説明では、鉄道はアンパンマン列車のほか瀬戸大橋などの車窓風景、特急「南風」の団体枠増設を紹介。タクシープランでは「駅から観タクン」は愛媛の産業遺産・別子銅山、新しく登場させた「四国タクシー観光プラン」では愛媛・南予の段畑の風景をピックアップした。


 エリア別の紹介では、徳島・にし阿波は三好市の箸蔵寺のアニマル・ミステリーツアー、高知は来年3月31日まで開催中の「志国高知龍馬ふるさと博」と、県と同社が7月1日から3カ月間展開する「高知・四万十・足摺キャンペーン」をPR。高松・徳島はさぬきうどんと徳島ラーメン、瀬戸内アートを、愛媛松山・今治・伊予西条は広島と松山を結ぶ「瀬戸内はいくるーず」を、四国西南は愛媛・大洲の肱川や高知・足摺、四万十川の周遊を取り上げた。


 また、同社がパートナーシップ協定を結ぶ高知県から尾﨑正直知事、松山市から野志克仁市長も登壇。尾﨑知事は「龍馬ふるさと博」を、野志市長は企業旅行の誘致や海をプラットフォームに商品化を目指す「瀬戸内・松山構想」を紹介し、造成を呼びかけた。



情報提供:トラベルニュース社