フォーシーズンズ、世界各国のホテルGMらが来日−杭州ホテルは9月末開業

  • 2010年8月25日
 フォーシーズンズホテル・アンド・リゾートが世界で展開するホテルの総支配人(GM)や営業担当者がこのほど来日し、最新情報や市場動向を説明した。特に、中国では「フォーシーズンズホテル杭州西湖」が9月末に開業を予定し、すでに予約受付も開始。上海のフォーシーズンズホテルとの連携など新しい取り組みが紹介された。また、市場動向では、各ホテルとも景気後退などで打撃を受けた2009年からの回復傾向を説明し、日本人の増加を報告するホテルも多かった。

 杭州は、西湖のほとりに建てられ、現地の伝統的なデザインを取り入れているのが特徴。フォーシーズンズホテル杭州西湖ディレクター・オブ・セールス・アンド・マーケティングの市川明宏氏は、現代的デザインの上海との組み合わせで多様性を体験できると期待。上海との移動には高速鉄道を利用できるほか、「どちらのホテルに最初に宿泊してもシームレスにチェックインとアウトができる」ことも強みという。

 このほか、各ホテルの最新情報としては、ミラノが改装を計画中で、市内で最大のホテルスパ施設の開設を検討。フィレンツェでは、今夏プールサイドにレストランが完成し、カジュアルに地中海料理を楽しめるようになった。また、バリではジンバランベイでレストランの改装が終了したほか、サヤンも客室の改装を終えている。2009年2月に開業したフォーシーズンズ・リゾート・セイシェルは、日本人宿泊客はまだ少ないものの、増加に向けて旅行会社への働きかけを強めたい考え。台北では、アレルギーを持った人でも安心して泊まれるプログラムを用意したという。

 市場動向では、グループ内で客室数が最も多いシドニーでは、90%を超える稼働率が続くなど「16年間の在任中で最も忙しい」(フォーシーズンズホテル・シドニー総支配人のスティーブン・ルイス氏)状態。日本人宿泊数もシェアが増加しつつあるという。また、フィレンツェでは、日本人の宿泊数が2010年の上半期で2009年の通年並みの水準に達したといい、更なる取り込みに意欲的。上海でも日本人の法人需要が伸びており、外国人宿泊数ではアメリカを抜いて1位になった。

 また、タイでバンコク、チェンマイ、コサムイ、ゴールデントライアングルの4軒を統括するライナー・スタムファー氏によると、バンコクでのデモで甚大な影響を受けたものの回復は早いという。ただし日本人の戻りは他国と比較すると「やや鈍い」といい、現地で生活している経験を紹介して安全性を訴えたいとした。このほか、体験型のプログラムが人気というホテルもあり、ミラノでは約1年前から開始したクッキングクラスに日本人カップルが参加する姿なども見られているという。