コンビナート夜景クルーズが大人気 三重県・四日市観光協会

 三重県の四日市観光協会が今年7月から金土曜日限定で始めた「四日市コンビナート夜景クルーズ」が人気だ。9月いっぱいの実施予定を急きょ10月末まで1カ月延長したが、すでに残りわずかな状態。「予約、問い合わせの電話がひっきりなしです」と、担当者はうれしい悲鳴を上げている。

 観光資源に乏しく公害など負のイメージが強い四日市を活性化しようと、観光協会の産業観光PR部会がまちの代名詞でもある日本でも有数の工場地帯「四日市コンビナート」に目をつけた。夜間も稼動し化学プラントや煙突などの施設が明かりに浮かび上がるコンビナートの夜景を船上から見学するクルーズを企画。ベストセラー本「工場萌え」の存在や、神奈川県川崎市でもコンビナートの夜景が人気を得ていたことから実施に踏み切った。「工場萌え」の著者、大山顕さんと石井哲さんにクルーズ全体の監修を頼み、コース内容を固めた。

 クルーズは7月16日から運航。コンビナートを観光資源として売り出す話題性がマスコミの注目を集めたこともあり、予約が殺到した。8月上旬には9月末までの予約が一杯になり、10月末までの延長を決めた。ただ、8月23日現在で10月の金・土曜計10回のクルーズも残り20席だそうだ。

 コースは、四日市港・千歳第一浮桟橋発着で19-20時の1時間。定員30人の船上では、四日市コンビナートに詳しいガイドが案内する。金曜日はクルーズのみ。土曜日は、四日市名物「とんてき」の夕食や高さ約100メートルの四日市港ポートビル展望台入場が付き、約4時間のツアー形式になっている。四日市港ポートビルは、「工場萌え」の著者2人が「全国でコンビナートの夜景を見下ろせる場所は貴重だ」と助言し組み入れた。

 料金は、金曜日が大人3150円、子ども2100円。土曜日は大人7500円、子ども6500円。旅行実施は産業観光PR部会のメンバー旅行会社、第一観光が担っている。

 四日市観光協会の観光コーディネーター落合純二さんは「四日市ナイズした内容にこだわりました。クルーズの最後に一番夜景が美しく見えるようにコース設定したのも、お客さんに四日市ファンになってもらいたかったから。お客さんの半数は県外で、女性客が非常に多いのも驚いています」と話す。夜景クルーズは来年度も実施予定で「旅行会社のチャーター運航や、川崎市などコンビナートを抱えるまちとの連携」(落合さん)も検討したいとしている。


情報提供:トラベルニュース社