佐賀・唐津市で地旅博開催 全旅、11月にテストツアー

 全旅(池田孝昭社長)は6月末、「地旅博覧会」の共催に手を挙げた佐賀県唐津市で坂井俊之市長はじめ地元関係者と打ち合わせを行った。

 地旅博は、開催地域の着地型旅行商品開発を促し、全国で営業するANTA(全国旅行業協会)会員5700社のネットワークを用いて商品を販売、集客し、地域経済の活性化につなげることが目的。唐津市では、地旅博の構想が表面化するといち早く手を挙げ、市議会で共催を決議するなど誘致に精力的だった。

 この日、市長室を訪れた池田社長に対して、坂井市長は「各地が観光を一大政策に掲げている中で、トラベルを通じた地元の力を結集させる地旅博覧会の取り組みに賛同しています。今年度の当初予算にも共催に向けた予算を組みました。地域経済の活性化につながる、新しい視点で観光行政を進めていきたい」と期待感を示した。

 唐津市は佐賀県北東部に位置し、約200キロ先の朝鮮半島、中国大陸との間で人と文化が行き交う玄関口として栄えてきた。豊臣秀吉が朝鮮侵攻を企てた際も、この地に名護屋城を築き前線基地とした。市内には、国の特別名勝・虹の松原をはじめとした自然景観や呼子のイカに代表される食資源も豊富。加えて、全国的に知られる「唐津くんち」もある。

 ただ、観光入込客数は漸減傾向にあり「外から見た視点で、唐津の売りを見つけたい」(市商工観光部の落合裕二部長)という状況だ。

 市内で営業する旅行会社6社や観光協会、商工組合関係者らで行った話し合いでは、地元側から協働して企画した着地型旅行商品のモデル案を提示。池田社長は「発地の旅行会社の要望も採り入れて商品造成をしては」とアドバイスし、「造る側と売る側がそれぞれ責任を果たすのが地旅です」と話していた。

 地旅博の詳細はこれから煮詰めるが、席上、池田社長は唐津くんち開催中の11月4日にテストツアーを行いたいと提案した。九州各県のANTA会員で集客に取り組みたいとした。

 打ち合わせ後、池田社長ら全旅スタッフは市職員の案内で唐津湾に浮かぶ高島を訪れた。その名も「宝当神社」という、宝くじの当選祈願で知られた神社がある。神殿の中は、全国の宝くじファンから寄せられた当選御礼の紙や当たり券のコピーが壁いっぱいに貼られていた。

 池田社長らはさっそく神社近くの宝くじ売り場で購入していた。地旅博本番でも、この島は商品に組み入れられそうだ。


情報提供:トラベルニュース社