三井アウトレットパーク滋賀竜王が開業 竜王町、観光拠点に期待

 滋賀県竜王町に7月8日、三井アウトレットパーク滋賀竜王がオープンした。京阪神や中京、北陸圏の広範な商圏を想定しているほか訪日外国人観光客も誘致し、年間400万人の来場者数を見込む。

 同施設は名神高速道の竜王インターから約500メートルという好立地。三井不動産グループが試算した車で90分圏内の人口は1千万人に達する。これは同グループのアウトレットパークの中でも最大の商圏人口だという。

 施設も大きい。敷地面積は約18万平方メートルで、物販と飲食を合わせて165店舗が備わる。国内初出店となるブランドは25ある。約1700人の雇用も創出。総投資額は100億円で、同グループでは年間230−260億円の売上を予想する。

 また、他のアウトレットパークと比較して「滞在型」をうたうのも特徴だ。公園や散歩道を設けたほか、飲食店では近江牛をはじめ地元産品を扱う店舗などが多数出店している。5千台を収容する駐車場は無料で、来場者は長時間の滞在でも駐車料金を気にしなくていい。同グループでは「観光のついでに来場」というパターンも想定、観光バスの立ち寄りも積極的に受け入れる。添乗員やバス運転手の無料休憩室も設置した。バスでの立ち寄りは要予約。

 インバウンド向けでは、館内の案内標記を4カ国語で行っているほか、中国の銀聯カード決済も可能だ。

 巨大集客施設の誕生に地元の期待は大きい。6日に開かれた内覧会で、竜王町の竹山秀雄町長は「町民の期待感は大きく、買い物に来られるお客さんもワクワク感を持って来られるでしょう。その一体感で、町全体によい変化を作っていきたい」と意気込む。

 同町はこれまで、農業やダイハツなどの製造業が中心だったが、アウトレットパークのオープンをきっかけに観光にも力を入れる。

 町観光協会は、施設の買い物と近江牛の昼食、フルーツ狩り体験をセットしたプランをつくった。農園や飲食店などの若手経営者は、町の特産品を来場者にアピールし共同で通販事業を始める予定だ。施設内のイベントスペースで竜王に関するイベントも計画しており、町観光協会は「竜王ファンを1人でも増やしたい」と話している。

 三井アウトレットパーク滋賀竜王の営業時間は10−20時(飲食は11−21時)。


情報提供:トラベルニュース社