宮崎観光に支援を 口蹄疫で打撃、国観連総会で理解求める

 6月1日に開かれた国際観光旅館連盟総会で宮崎県の高柳貴裕さん(宮崎市・青島観光ホテル)が、口蹄疫による県内観光業界の窮状への理解と支援を求めた。

 高柳さんは「畜産農家はもちろん、観光も多大な打撃を受けています。特に、非常事態宣言以降は、人が集まる大会や行事はすべて自粛要請を受けている状況です」などと説明した。

 口蹄疫の発生が報告された4月20日から、これまでに宮崎市内のホテル16軒だけで約2万人のキャンセルが発生している。特に、宮崎県が非常事態宣言を行った5月18日以降はわずか1週間で1万人がキャンセルするなど状況は急速に悪化した。

 こうした状況のなか宮崎市ホテル旅館組合(冨森信作組合長=宮崎市・青島グランドホテル)は、宮崎市や宮崎県、国に対し、低利融資制度の適用などを求めているほか、今後の集客について旅行会社に支援を求めている。すでに5月25日から28日までにJTBがグループ本社対策本部とJTB九州宮崎県口蹄疫対策チームを立ち上げ、善後策に取り組んでいる。

 冨森組合長は「来ていただいているお客様を最高の笑顔とおもてなしでお迎えしようと話し合っています。キャンセルの電話にびくびくしている状況ですが、『わざわざご連絡いただきありがとうございます』と丁寧な応対をお願いしています。皆さんの知恵と支援で、なんとか乗り越えていきたいと思っています」と話している。


情報提供:トラベルニュース社