海外の宿泊予約拡大へ 国観連が総会、世界市場を目指す

 国際観光旅館連盟(1171軒、佐藤義正会長=岩手県つなぎ温泉・南部湯守の宿大観)は6月1日、東京・赤坂のグランドプリンスホテル赤坂で2010年度通常総会を開き、09年度決算と10年度事業計画および予算を審議、承認した。

 10年度は、前年度に引き続き海外マーケットからの会員旅館への集客や、国観連客室在庫管理システムの研究などに取り組む。

 海外からの集客では、国観連の外国語版HPの拡充を図る。前年度、日本語版、英語版HPから会員旅館への宿泊予約ができるように改良したのに続き、これまで表紙のみだった韓国語版と中国語繁体字版、簡体字版についても改良を加え、宿泊予約の窓口機能を強化する。

 また、GDS(グローバル・ディストリビューション・システム)への会員旅館の登録を促し、海外の旅行会社からの宿泊予約拡大に取り組む。

 国観連では前年度、宿泊予約に関するサービスを世界展開するペガサスソリューションズ(本社・米国ダラス)の予約システム「ユニレズ」と契約し、海外への会員旅館の客室販売に道を開いている。

 ユニレズは、世界の旅行会社や1千社ともいわれるオンライン・トラベル・エージェント(OTA)が、ホテルなどの予約に利用しているGDSと接続しており、世界市場を相手にした客室販売が期待できる。

 登録料は295ドルで、販売手数料は10%。旅行会社への手数料支払いなどもユニレズが代行する。これまでに91会員旅館が登録しており、このうち予約設定が終了している38軒に対し42件の宿泊予約があった。

 登録数、予約件数もまだまだ少ないが、佐藤会長は00年に980億円だったインターネット経由の宿泊予約が09年には約33倍の3・3兆円に達することを示しながら「変化のスピードは誰も予測できません」と話し、活用を呼びかけていた。


情報提供:トラベルニュース社