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「日本の思い出に」田尻町や阪南大、足止め客を無料ツアーに招待

 4月中旬に始まったアイスランドの火山噴火に伴い、欧州方面を中心として空路が大混乱。航空便の運休、ツアーキャンセルが相次いだ中、足止めされた外国人を対象にした無料ツアーが関西国際空港や成田空港など各地で行われた。

 関西国際空港では4月23日、空港対岸の大阪府田尻町で海鮮バーベキューなどを楽しんでもらうツアーが実施された。足止めされた外国人観光客に何かできないだろうか、と阪南大学国際観光学部(大阪府松原市)の吉兼秀雄教授と学生らが企画し、同町や近畿運輸局、関西国際空港会社が協力した。

 ツアーは、吉兼教授が座長を務める近畿観光まちづくりアドバイザリー会議で田尻町と関わりを持ったことから、近畿運輸局を通じて提案。関空会社が用意した足止め客用の休憩室にツアー実施を知らせるチラシを掲出し、23日当日も空港内でビラを配って参加を呼びかけた。

 一時は足止め客が常時40人以上いる状態だったが、前日ごろから欧州便の運航が再開されたため、この日の参加者は1人にとどまった。

 参加したのはフランス人の30代の男性で、阪南大学4回生の薮内みゆきさん、森中啓恵さん、窪田麻乃さんらが案内。関空の空港島を間近に望む田尻海洋交流センターでバーベキューを一緒に食べたり、田尻歴史館を見学した。

 薮内さんらは「私たちにとっても貴重な体験になりました」と話していた。

 ツアーに同行した関空会社お客様本部航空営業部の田川典久副部長は「空港での滞在が長くなるとフラストレーションが溜まるので、20日と21日には日帰り入浴施設へお連れするツアーも行いました。今日はわずかお1人の参加ですが、田尻町はじめ皆さんにがんばってもらいました。いい思い出を持って帰っていただければうれしいですね」。


情報提供:トラベルニュース社