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総額2183億円、観光庁は127億円 10年度の観光関連予算

 観光庁は3月29日、2010年度の政府全体の観光関連予算をまとめた。総額は、前年度当初予算比4億円増の2183億円でほぼ前年並みとなったが、そのうち観光庁の予算は126億5千万円と前年から倍増した。

 各省庁の観光関連主要施策を3つの分野に分類すると、「国際観光の振興」が545億円、「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等」が1505億円、「観光旅行の促進のための環境の整備」が133億円。なお、観光関連部分を特定できない事業は総額に含めていない。

 「国際観光の振興」では、観光庁が訪日外国人3千万人プログラム第1期に95億円を投入。これは前年比3倍で、観光庁予算の7割以上を占める規模となる。外務省は観光誘致関連広報、文化庁は芸術家・文化人などによる文化発信推進事業、文部科学省は留学生交流の推進、総務省は映像国際放送の実施、法務省は出入国審査の充実などに取り組む。

 「国際競争力の高い魅力ある観光地の形成等」の内訳は、観光庁が観光を核とした地域の再生・活性化に6億4千万円で、文化庁の文化財の保存・活用の406億円が目立つ。中小企業庁の小規模事業者新事業全国展開支援事業、国土交通省の歴史まちづくりの推進や良好な景観形成の推進、内閣府の沖縄における観光振興施策などがあり、文化庁と国土交通省の事業が比較的多く関連している。

 「観光旅行の促進のための環境の整備」では、観光庁はワーク・ライフ・バランスの実現に向けた環境の整備に2800万円、観光統計の整備に3億3千万円を計上。厚生労働省の休暇取得促進、環境省のエコツーリズム総合推進事業、農林水産省の都市と農山漁村の共生・対流の推進などもこの分野に含まれる。

 全体を概観すると、新規事業は、総務省の地域コンテンツの海外展開や経済産業省の地域集客・交流産業活性化支援事業など5事業にとどまった。既存の事業については、前年より予算が増加したのは、観光庁の訪日外国人3千万人プログラムや文化庁の国際競争力関連の事業が目立つが、前年並みまたは削減となった事業が比較的多い。


情報提供:トラベルニュース社