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EV充電はお任せ、全国旅館組合が日産と連携

 全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長=山形県かみのやま温泉・日本の宿古窯)と日産は2月1日、電気自動車の充電インフラ促進に、連携して取り組んでいくことで合意したと発表した。日産が今年後半、日本および欧州で発売を予定している電気自動車(EV)リーフの充電を、旅館ホテルでできる環境を整えていく。

 全国18000軒の旅館ホテルで組織する全旅連は、一昨年から活動テーマの1つに環境問題を掲げ、食品残渣の削減やリサイクル、CO2削減への取り組みを模索してきた。日産との共同会見で佐藤・全旅連会長は、「全旅連としては、環境は観光の最も大切な財産との考えから、温室効果ガスを2020年までに90年比で25%削減するという政府の目標に協力したいと思っていました。温室効果ガス削減に向けて、電気自動車の充電施設として協力していきたい」と趣旨を説明。理事会や全国大会を通じて、全国の会員旅館に協力を要請する。

 また、志賀俊之・日産最高執行責任者は、「日産はEVの開発と普及で低酸素社会の構築に取り組んでいます。全旅連とのパートナーシップは、すでに全国の旅館にある電気設備のネットワークを活用しながら充電インフラを構築できることを意味します。宿泊先の旅館の駐車場で充電できれば、EVのユーザーにとっての利便性は向上します。全旅連との連携はEV普及の重要なモデルだと考えています」と連携に期待を示した。

 日産リーフの1充電あたりの走行距離は約160キロ。一般に普及している100Vのコンセントから充電した場合、満タンまで約16時間かかるが、佐藤・全旅連会長は、こうした点でもEVと旅館ホテルの相性はいいと強調する。

 「宿泊のお客様が午後4時に旅館に到着し、翌朝8時に出発するとちょうど16時間です。宿泊の間にゆっくり充電して、次の目的地に向かっていただけます」。

 充電コストは200円程度とされる。旅館屋外にコンセントを設置している旅館ホテルは多く、これらをEVの充電用に整えても、費用はそれほどかからない。協力旅館が増えれば、旅館から旅館へと連泊の旅も可能というわけだ。

 日産では、ナビゲーションシステムに充電スタンド情報として協力旅館ホテルを掲載することにしている。将来的には宿泊施設情報の提供や即時予約サービスの提供も視野にいれる。EVで行く環境に負担の少ない旅行プランの開発などで、宿泊需要の喚起も期待できる。


情報提供:トラベルニュース社