“水辺の私邸”星のや京都 嵐山にオープン

 星野リゾート(星野佳路社長)は12月12日、京都市嵐山に「星のや京都」をオープンさせた。これまで軽井沢で培った星のやの旅館スタイルを京都独特の地域文化と融合させ、古都に新しいリゾートを提案する。

 星のやは2005年、軽井沢に誕生。「圧倒的な非日常性」「世界水準のサービス」「地域へのこだわり」を機軸に、日本の新しいリゾートスタイルの確立を目指してきた。

 今回は、独特の文化を有する京都に進出。軽井沢同様のアプローチに、日本建築と、京都の伝統文化を織り交ぜ、コンセプトとする「水辺の私邸」を造り上げた。

 建物は、約100年の歴史を持つ旧・嵐峡館をリニューアル。客室は8タイプ全25室で、和室、リビング、和室メゾネットの2−4人利用の客室のほか、特別室やシングルなども用意した。客室からは嵐山と大堰川が一望でき、対岸を走るトロッコ列車も眺められる。

 客室は、「日本間の再発見」にこだわった。正座の高さのソファや、木箱のお茶セットを用意したほか、間接照明で落ち着いたくつろぎの空間を演出。壁紙には京唐紙を使い、日本庭園は京都の寺院を手がける庭師が担当するなど、京都の精神性を溶け込ませた。

 食事は、泊食分離。「アラカルトのみ、コースなし」で、京都の食材を使った料理を自由に選ぶ。朝食は12時まで、24時間ルームサービスなど、「食」と「時間」の自由を提供する。

 渡月橋から宿へは、大堰川を船で渡る。これも「賑わいから閑静へ、日常から非日常へ切り替える演出」(菊池昌枝総支配人)だという。

 今後は軽井沢と異なる特色として、船で紅葉見物、人力車で嵐山観光など、京都ならではのアクティビティも用意する。

 料金は、シングル5万5千円、和室メゾネット8万7千円など。食事代は別途必要。

 星野社長は「リゾートは日常から非日常へのプロセスが大事で、日本でリゾート滞在ができることを旅館が示すことが重要だと考えている。京都では文化を織り込むことに注力したが、この取り組みは今後の展開に生かせる力を与えてくれた」と話している。


情報提供:トラベルニュース社