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旅館業界で初のクレジット取引 ゆのごう美春閣

 岡山県・湯郷温泉のゆのごう美春閣(永山久徳社長)がこのほど、二酸化炭素(CO2)の国内排出量を取り引きする「国内クレジット制度」に認証され、旅館ホテル業界では初めてとなるクレジット売買を行った。昨年9月に導入した日本最大級の木質バイオマス(木質ペレット)ボイラーにより、従来の重油ボイラーに比べてCO2排出量を大幅に削減。削減した今年6月までの10カ月間分312トンを三菱商事に売却した。

 クレジットの売買が成立したのは国内企業で9社目。ペレットボイラー案件や中四国地方では初めての事例になった。

 国内クレジット制度はCO2の排出を抑制しようと国が音頭を取って始めた制度で、中小企業の排出抑制の取り組みについて、排出量の多い大企業が技術や資金を提供するというもの。取り引きは経済産業省の国内クレジット認証委員会が排出削減量を認証し、大企業は自主的な目標達成に活用できる。

 ゆのごう美春閣は経済産業省で行われた第8回委員会で認証された。今後、ペレットボイラー施設の見学コースを研修団体や宿泊客にPRしていくほか、クレジット販売額を年度ごとに公表し「環境にやさしい宿」のイメージアップを図る。姉妹館の鷲羽山下電ホテル(岡山県倉敷市)でも現在ペレットボイラーの設置工事を行っている。


情報提供:トラベルニュース社