
今年で創立85周年、日本就航25周年を迎えたフィンランド航空(AY)は5月12日、エアバスとの共同記者会見を行い、未来に向けたビジョンを紹介した。2000年にアジア市場重視の戦略を打ち出したAYは、ヨーロッパへの最短・最速ルートとして座席供給量も増やしている。コーポレート・コミュニケーション担当副社長のクリステル・ハーグルンド氏は「アジア市場での売上高は全体のほぼ半分。その中でも日本は特に重要な市場」と述べ、今後も日本路線を重視していく姿勢を示した。また、「2017年にはアジア/ヨーロッパ間の座席供給量は現在の2倍になるだろう」との見通しを付け加えた。
将来に向けた持続可能なビジネスを実現していくためには、明確なビジョンを持つことが大切との観点から、AYでは環境に配慮したクリーン戦略を展開。「無駄のないルートを飛行することで、二酸化炭素の削減にもつながる」として、ハーグルンド氏はヘルシンキを経由してヨーロッパ各都市へ飛ぶ路線の有効性を強調した。また、ヘルシンキ空港の利便性の高さについても言及。「ヘルシンキ空港での乗継ぎ時間は最短で35分。混雑する大空港での乗継ぎとは異なり、ヘルシンキ空港はコンパクトで移動しやすい」とアピールした。

このほか、環境への取り組みのひとつとして、最新機材の導入も積極的に推進。「将来的にはIATAが目指す航空輸送におけるゼロエミッションを実現したい」と意気込む。世界的な環境対策の高まりのなか、AYでは環境への取り組みは乗客が航空会社を選ぶ理由のひとつと考え、85年後の未来を見据える『Departure 2093 - Five Visions of Future Flying』を発行。さらに関連ウェブサイト(
www.departure2093.com) も開設し 、未来の航空技術、旅行、環境対策などのビジョンを紹介している。
一方、エアバス・マーケット・ストラテジー・ディレクターのパスカル・ユエ氏は、エアバス機の先進的な環境対策を強調。「将来、航空旅行が活発になっていくなか、環境にやさしい機材がますます重要になってくる」と述べるとともに、「将来的には娯楽を詰め込んだような空の旅も求められてくるのではないか」との予測も示した。