日本航空、2期連続の赤字予想、10年度に黒字化へ−今期国際旅客数は横ばいか

08年度の国際旅客事業では、旅客数は12.4%減の1170万4043人、旅客収入は6.7%減の7035億2200万円となった。JL取締役の金山佳正氏は会見で、いずれも下期、特に第4四半期の落ち込みが顕著と説明。国際線旅客数は上期が9.4%減であったのに対し下期は14.6%減、国際線旅客収入は上期が2.5%増、下期が16.3%減となったという。座席供給量をあらわす有効座席キロは年間で5.4%減と絞ったが、需要をあらわす有償旅客キロは13.6%減となり、利用率は6.2ポイント減の65.6%となった。
ジャルパックとジャルツアーズを含む旅行企画販売事業では、ジャルパックは減収減益となった一方、ジャルツアーズは増収増益で黒字を確保した。合計では売上高が14.3%減の3203億1500万円、営業費用が14.4%減の3191億9800万円、営業利益は20.3%増の11億1600万円となった。
▽2009年度の国際旅客数は0.6%増予想−コスト構造改革で人員削減も
2009年度経営計画では、連結業績見通しとして、景気後退などの影響により需要低迷が続くとの分析から、営業収益が2031億円減の1兆7480億円、営業費用が1950億円減の1兆8070億円、営業損失が82億円悪化の590億円、経常損失が259億円悪化の1080億円、純損失は1億円改善の630億円を予想する。国際旅客事業関連では、旅客数を0.6%増と見込む一方、旅客収入は1285億円減の5750億円となる見通し。旅客数は第2四半期以降回復し始めるとの予想で、特にレジャー需要は第2四半期から10%程度前年を上回ると予測する。ビジネス需要は第4四半期からの回復に期待する。
営業費用を1950億円削減する計画には、販売体制・予約発券体制の見直しやコミッションの廃止などによる130億円を含む。JL経営企画室部長の菊山英樹氏によると、販売体制・予約発券体制はJALナビアの運営体制のあり方を検討する。また、コミッション廃止による費用削減効果は70億円程度という。このほか、1200人の人員削減や企業年金制度の大幅改定も計画に盛り込んだ。
また、経営計画では、収入確保のための施策として、プレミアム戦略を継続しつつ、特に観光需要の取り込みを強化する。これには燃油サーチャージの値下げや価格面での販売促進、チャーター便の運航などを含むといい、営業、空港、客室の各部門が連携して観光需要にも支持される商品やサービスを提供する方針だ。