エア・タヒチ・ヌイ、来年も日本路線で週2便を維持、客層拡大に成果
日本発の航空需要の低迷により、今年は路線再編で日本路線を縮小する航空会社が多かった。エア・タヒチ・ヌイ(TN)も10月1日から関空経由便を運休し、週3便体制から成田/パペーテ間の直行便による週2便としている。1社の航空会社の運航によるデスティネーションは特に、その航空会社の動向が大きく影響する。11月下旬に開催された、パペーテでのタヒチ・トラベル・マートにあわせ、TN日本・アジア地区統括支社長の千野淳氏に話を聞いた。
■関空経由便の運休について
エア・タヒチ・ヌイ(TN)の本来の使命は、現地での消費する旅行者をフレンチポリネシアへ送客すること。ただし、昨今の燃油費の高騰、今後もすぐには景気回復が見込めず、コストと歳入のバランスの偏りが大きくなることから、ハンドリングコストが2倍となる経由便の運休を決定した。関空からの搭乗客は全体の20%で、関東に比べて関西市場はプレミアクラスの販売が少ないことも理由にある。ただし、大阪は重要な市場なので、今後も引き続き営業活動は継続していく。
日本路線を週3便から週2便に減便した決断は、今となっては良い判断だった。2008年までも継続し、来年減便するという結果であれば、現在の経済状況では赤字をさらに増やすことになるからだ。10月以降、ロードファクター、イールドが改善された結果もある。
今回のTN本社での会議で、フレンチポリネシア政府は今後の経済状況、市場環境にかかわらず、2009年いっぱいは週2便体制を維持することを約束した。急な運休が発生した場合、パンフレットを含む商品造成のコストをかけた旅行会社が最も被害を受けてしまう。政府が来年中はこの2便を維持すると約束してくれたことで、本当にうれしく思っている。
■タヒチへの旅行動向
現在は円高の影響でタヒチの旅行商品の価格が安くなり、従来以上にタヒチに行きやすい環境になっている。30万円前半でボラボラ島と訪れるツアーもあり、流通の早いウェブ上ですぐにその商品を展開した旅行会社が伸びている。
セグメント別では、顕著な伸びを示す客層がシニア。ワールド航空サービスなど、シニアに特化した旅行会社に商品造成を促した結果、大成功だった。2008年の4月、5月、6月で10出発日を設定し、1社で約400名以上の送客を達成したと聞いている。ハネムーンのイメージが強い南太平洋のビーチデスティネーションで、これほどシニア層が伸びるのはまれなことだろう。タヒチの家庭を訪問したり、料理やダンスなどの文化体験が好評で、アンケートでも満足度が高かったようだ。
ファミリー層には夏休みのパンフレットにタヒチの商品を組み込んでもらう取り組み、成功している。今年のお盆はもちろん、この年末も満席の予定で、これはファミリー需要が後押ししていると思う。最近は家族向けのアクティビティや、スペースが広い水上バンガローなども作られ、ファミリーに適したプロパティが増えてきている。
■全世界から30万人、アジアから3万人という目標について
関空経由便が運休した現在も、この目標は変わらない。日本以外のアジア地域からの需要を高めることで、埋め合わせをしたい。その取り組みとして、この冬スケジュールから成田発の出発時間を午後3時25分とし、アジアからの同日乗継を可能としたほか、パペーテの到着時刻が午前7時30分となり、早朝到着によるホテル1泊分の手配が不要になることで、商品価格を抑えられるようにした。
アジア市場の需要喚起の方法として、中国では先ごろ、「タヒチ・ロード・ショー」を上海、北京、広州の3都市で開催。これにより中国の旅行業界でタヒチの認知が浸透してきたことを実感している。1回のタヒチ旅行と中国人の平均年収はほぼ匹敵するが、予約が増えてきている。
また韓国では、2009年から予算を投じ、マーケティングを実施する予定。1999年にGSAをおいて以来、韓国市場が伸びており、特にハネムーナーの勢いが良い。戦略的なマーケティング活動をすることで、さらに強化していきたい。
■今後の展望
今年はどのデスティネーションも苦戦した。弊社は経由便の運休による減少はあるものの、東京便は昨年とほぼ変わらない状況で推移している。来年はタヒチにとっても、弊社にとっても厳しい1年になると考えるが、日本市場は非常に重要なマーケットであり、必ず週2便を維持し、2010年には成田便を週3便に増便できるようにしていきたい。
いよいよ来年は日本でもゼロコミッションの時代になり、旅行会社の主流の収入源はパッケージツアーになってくる。そのなかでタヒチは商品単価が高く、販売手数料が他のデスティネーションに比べて大きい。タヒチ商品の販売で、利益率を高めて欲しいと思う。
■関空経由便の運休について
エア・タヒチ・ヌイ(TN)の本来の使命は、現地での消費する旅行者をフレンチポリネシアへ送客すること。ただし、昨今の燃油費の高騰、今後もすぐには景気回復が見込めず、コストと歳入のバランスの偏りが大きくなることから、ハンドリングコストが2倍となる経由便の運休を決定した。関空からの搭乗客は全体の20%で、関東に比べて関西市場はプレミアクラスの販売が少ないことも理由にある。ただし、大阪は重要な市場なので、今後も引き続き営業活動は継続していく。
日本路線を週3便から週2便に減便した決断は、今となっては良い判断だった。2008年までも継続し、来年減便するという結果であれば、現在の経済状況では赤字をさらに増やすことになるからだ。10月以降、ロードファクター、イールドが改善された結果もある。
今回のTN本社での会議で、フレンチポリネシア政府は今後の経済状況、市場環境にかかわらず、2009年いっぱいは週2便体制を維持することを約束した。急な運休が発生した場合、パンフレットを含む商品造成のコストをかけた旅行会社が最も被害を受けてしまう。政府が来年中はこの2便を維持すると約束してくれたことで、本当にうれしく思っている。
■タヒチへの旅行動向
現在は円高の影響でタヒチの旅行商品の価格が安くなり、従来以上にタヒチに行きやすい環境になっている。30万円前半でボラボラ島と訪れるツアーもあり、流通の早いウェブ上ですぐにその商品を展開した旅行会社が伸びている。
セグメント別では、顕著な伸びを示す客層がシニア。ワールド航空サービスなど、シニアに特化した旅行会社に商品造成を促した結果、大成功だった。2008年の4月、5月、6月で10出発日を設定し、1社で約400名以上の送客を達成したと聞いている。ハネムーンのイメージが強い南太平洋のビーチデスティネーションで、これほどシニア層が伸びるのはまれなことだろう。タヒチの家庭を訪問したり、料理やダンスなどの文化体験が好評で、アンケートでも満足度が高かったようだ。
ファミリー層には夏休みのパンフレットにタヒチの商品を組み込んでもらう取り組み、成功している。今年のお盆はもちろん、この年末も満席の予定で、これはファミリー需要が後押ししていると思う。最近は家族向けのアクティビティや、スペースが広い水上バンガローなども作られ、ファミリーに適したプロパティが増えてきている。
■全世界から30万人、アジアから3万人という目標について
関空経由便が運休した現在も、この目標は変わらない。日本以外のアジア地域からの需要を高めることで、埋め合わせをしたい。その取り組みとして、この冬スケジュールから成田発の出発時間を午後3時25分とし、アジアからの同日乗継を可能としたほか、パペーテの到着時刻が午前7時30分となり、早朝到着によるホテル1泊分の手配が不要になることで、商品価格を抑えられるようにした。
アジア市場の需要喚起の方法として、中国では先ごろ、「タヒチ・ロード・ショー」を上海、北京、広州の3都市で開催。これにより中国の旅行業界でタヒチの認知が浸透してきたことを実感している。1回のタヒチ旅行と中国人の平均年収はほぼ匹敵するが、予約が増えてきている。
また韓国では、2009年から予算を投じ、マーケティングを実施する予定。1999年にGSAをおいて以来、韓国市場が伸びており、特にハネムーナーの勢いが良い。戦略的なマーケティング活動をすることで、さらに強化していきたい。
■今後の展望
今年はどのデスティネーションも苦戦した。弊社は経由便の運休による減少はあるものの、東京便は昨年とほぼ変わらない状況で推移している。来年はタヒチにとっても、弊社にとっても厳しい1年になると考えるが、日本市場は非常に重要なマーケットであり、必ず週2便を維持し、2010年には成田便を週3便に増便できるようにしていきたい。
いよいよ来年は日本でもゼロコミッションの時代になり、旅行会社の主流の収入源はパッケージツアーになってくる。そのなかでタヒチは商品単価が高く、販売手数料が他のデスティネーションに比べて大きい。タヒチ商品の販売で、利益率を高めて欲しいと思う。