ヨーロッパのクリスマスマーケット(4) ベルギー、オランダ

  • 2008年12月11日
 今週はドイツ、フランスと紹介してきたが、その両国に挟まれるベルギーの各地でも、クリスマスマーケットが開かれる。

 運河に囲まれた美しい町並みで知られるブルージュでは、11月下旬からクリスマスマーケットが開かれる。開催場所のマルクト広場にはスケートリンクが設置され、その周囲にずらりと露店が並ぶ。また、冬の楽しみであるアイススケートを楽しめるよう、リンクも用意されている。

 これとほぼ同時に始まるのが、雪と氷のフェスティバルだ。50名のプロ氷彫刻師が作りあげた、美しい雪と氷の像が駅前広場に並ぶ。メインの氷の宮殿は、30万キロのクリスタルアイスと400トンもの雪で作られており見ごたえ充分。夜はライトアップされて幻想的なムードを醸し出す。ウォッカやホットワイン、ココアを氷のグラスで飲む「氷のカフェ」にもぜひ立ち寄りたい。雪と氷のフェスティバルは、クリスマスマーケットが終わった後、翌年の1月中旬まで行われているので年末年始でも見ることができる。

 ベルギー・フランダース政府観光局によると、ブルージュでは冬の観光に力を入れており、2泊すると3泊目が無料になるキャンペーンを、各ホテルが設定しているという。2月にはチョコレートに関わるイベントも行われるなど、クリスマスの時期以降でも楽しい冬となりそうだ。

 隣国オランダのクリスマスマーケットにはユニークなものがある。オランダ南部、マーストリヒト郊外の町ファルケンブルグは、古城ホテルと温泉がある小さな町。ここのクリスマスマーケットは、洞窟の中で行われる。

 入場はチケット制。寒いヨーロッパではありがたいことに、採石場跡の洞窟の中は常に10度前後だという。足を踏み入れると、迷路のように続く坑道にきらびやかな店が建ち並ぶ。ところどころでイルミネーションが輝き、妖精の物語をテーマにした飾り付けが美しい。洞窟内でのコンサートなどのイベントも盛りだくさんで、洞窟内は人でいっぱい。レストランやバーもあるので、疲れたらゆっくり休憩してもいい。

 オランダ政府観光局のおすすめのなかでは、このほかにもデ・ハール城やミダフテン城などのお城で行われるクリスマスマーケットがユニークだ。普通のクリスマスマーケットに物足りなさを感じたら、ぜひベルギーやオランダを訪れて、これらの一風変わったクリスマスマーケットを体験してみてはどうだろう。


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